伊勢市の2輪チーム「AKENO SPEED(アケノスピード)」(伊勢市小俣町)所属の伊達悠太選手が10月26日、鈴鹿サーキット(鈴鹿市、1周5,821メートル)で行われた「全日本ロードレース選手権」鈴鹿最終戦第7戦でST600クラスの年間チャンピオンの栄冠に輝いた。
伊勢のバイクチーム「アケノスピード」伊達悠太選手、ST600クラスで日本一に
同選手権ST600クラス全レースに出場する伊達選手。第6戦までの獲得ポイントはトップの84.2ポイントで、チームメートの南本宗一郎選手が70.8ポイントで追いかける。今回のレースは、南本選手が逆転チャンピオンをもぎ取るか、伊達選手がそのまま首位で日本一の栄冠を勝ち取るかという戦い。一方、伊勢市出身の稲垣誠監督が2015(平成27)年からプライベーターとして立ち上げた同チームにとって、年間チャンピオン達成は稲垣監督の悲願でもあった。
前日の予選レースで伊達選手は2分11秒134のタイムで2番、南本選手は2分11秒692のタイムで5番に。雨天のため13周から11周に変更された決勝レース、1周目で伊達選手は4番手に順位を落とし、南本選手がその後ろを走る。2周目で南本選手が4位に浮上すると伊達選手は6番手まで順位を落とす。3周目以降は安定した走りで順位を一つ上げ、5番手のまま26分45秒238のタイムでゴール。その間、南本選手は逆転優勝を賭けトップ集団に食い込む走りを見せる。7周目で3番手まで順位を上げ、そのまま順位変わらず26分35秒856のタイムで3位表彰台を獲得した。昨シーズン、ジュニアGP世界選手権に参戦し、今シーズンからチームに加入し、250クラスから600クラスに転身した上江洲葵要(うえずあおい)選手は17位に終わった。
伊達選手は14ポイントを加算しトータル98.2ポイント。南本選手は19ポイントを加算し89.8ポイントで、伊達選手の年間チャンピオンが決まった。
伊達選手は「チームに参加して4年。なかなか結果が出ない時期が続き苦しかったが、チャンピオンを取ることができてほっとしている。アケノスピードからチャンピオンを出すことが目標だと聞いていたので、自分がそれを達成することができてとてもうれしい。チームやスポンサー、ファンの皆さまに感謝している」と話す。
稲垣監督は「念願のチャンピオンを獲得。しかも竹本倫太郎もJP250クラスでチャンピオンとなりダブルで獲得。南本もチャンピオンは逃したが年間ランキング2位。そして井手翔太はST1000クラスで優勝と、みんなが結果を残してくれて感無量。ここに至るまで、何度も何度もチャンピオンを取る夢を見てきた。やっとかなった」と喜びを全身で表した。