「おかげ横丁」を運営する伊勢福(伊勢市宇治中之切町)が12月5日から、「お伊勢さんのご遷宮展」を横丁内の「伊勢路名産味の館」2階「大黒ホール」で開催する。
第63回神宮式年遷宮に関する展示の第1回目として、地元や県外からの来場者に式年遷宮について知ってもらおうと企画。「御用材は木曽から伊勢へ」をテーマに、今年長野県上松町で行われた「御杣始祭(みそまはじめさい)」で伐採されたヒノキの御神木が、伊勢神宮まで運搬されるまでの記録や前回の式年遷宮の写真などをパネル25枚にまとめた。
第1展示コーナーでは、式年遷宮とは、山づくり、庭造り、遷御(せんぎょ)について、第2展示コーナーでは、御用材の調達、運搬から最後の製材までの全工程を、それぞれ紹介する。
3人の杣人(そまびと)が斧(おの・よき)を使い3方向から斧を入れながら伐採する古式の伐採方法「三ツ緒切り・三ツ紐(ひも)切り」で伐採した切り株や前回の第62回の御神木伐採時に使用した斧、今回の祭典で使用した作業着、法被、のぼり、ポスターなどを展示する。
6日の14時30分から、横丁内の「太鼓櫓(やぐら)」では「神恩太鼓」の演奏後、上松町で獅子狂言や地歌舞伎などの伝統芸能を約400年伝承する「上若連」による木曽の祝い唄、「伊勢古市奉曳団木遣り保存会」による伊勢の木遣り唄がそれぞれ披露される予定。6日7日には、孫の屋三太前特設会場で「木曽ヒノキの箸づくりを体験」(参加費=500円)を行う。そのほか、長野県の郷土料理「五平餅」や「信州そば」、「木曽ヒノキの木工品」などを販売する。
企画協力する伊勢文化舎(伊勢市船江)の中村賢一さんは「上松町、伊勢神宮木曽奉賛会、三ツ紐伐り保存会、上松町観光協会の全面協力の下、開催することができた。設立から20年を迎えた『伊勢春慶の会』でこれまで作ってきた伊勢春慶の木地は、池田木材(長野県上松町)から提供してもらってきた。伊勢春慶を通して木曽と伊勢の関係についても紹介する。式年遷宮とはどういうものか理解してもらい、来年のお木曳き、そして7年後の御遷宮へ、さらに関心を高めてもらえれば」と話す。
開催時間は10時~17時、参加費無料、12月14日まで。