暮らす・働く 学ぶ・知る

志摩の建設会社「石吉組」が100周年 深谷水道工事で真珠の品質向上に貢献

志摩「石吉組」が創立100周年 深谷水道工事で真珠の品質向上に貢献 橋爪吉生社長から深谷水道でのエピソードを聞く

志摩「石吉組」が創立100周年 深谷水道工事で真珠の品質向上に貢献 橋爪吉生社長から深谷水道でのエピソードを聞く

 伊勢志摩地域で土木・建築から海洋土木を手がける総合建設会社の石吉組(志摩市阿児町)が3月1日で、100周年を迎えた。

現場で働く石吉組社員

[広告]

 1926(大正15)年3月1日に創立の記録が残る同社。道路や河川などのインフラ整備、堤防工事や消波ブロック埋設などの護岸整備、公共施設や一般住宅などの建築物の建設などを行う。

 同社の橋爪吉生社長は「真珠養殖が盛んな英虞湾は、リアス海岸で、鳥羽市から志摩市の海岸線もとても入り組んでいて、護岸が崩れないように石積みをしなければいけないところが多い地域。溺れ谷といわれるような道路が整備されていない山からすぐ海岸になるような場所への石積みは、当時、誰もしたがらなかったのを先代が引き受けたのが始まりだと聞いている。元々は石垣などを整備する石工職人だったので、創業はもっと前なのかもしれない」と説明する。

 この地域では、初めてのRC建築(鉄筋コンクリート造)による大王町役場(志摩市大王町、現在の志摩市大王支所)の建設を手がけたほか、海との関わりの深いこの地域ならではの建築物、三重県水産研究所(志摩市浜島町)、安乗浄化センター(志摩市阿児町)、鳥羽商船高等専門学校(鳥羽市池上町)の実習工場改修工事、近年では志摩市内に津波避難タワー数棟の建設を手がけた。

 中でも1932(昭和7)年工事完了の英虞湾の海水を太平洋の海水と循環させるために志摩町と大王町の境に掘った運河(全長約660メートル、幅約14.5メートル)「深谷(ふかや)水道」の工事に関わり、一大事業を成功させたことで英虞湾の水質が改善され真珠産業の発展に寄与したばかりでなく、英虞湾から太平洋へ出る漁船にとって湾口まで迂回(うかい)しなくてもよくなり、漁船の燃料費削減、漁業者の操業時間の短縮にもつながった。後に深谷水道は2006(平成18)年「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」(水産庁)に「志摩漁業の土木遺跡」の一つに選ばれた。

 橋爪社長は「古いアルバムの中から深谷水道の工事現場やダイナマイトで貫通させる時の写真が出てきた時には体が熱くなった。現在その時のことを知っている人を探して調査しているところ」と話す。

 「先代たちが守り続けてきた土木工事を中心とする人々の生活に密着する工事を通して、もっと地域に役に立てる会社を目指して、本社前に『このまちの未来をあなたと一緒にGO TO NEXT』の看板を設置した。『石吉組って、どんな人たちが何をしている会社なのだろう』と関心を持ってもらえるような会社にしていきたい。地域の未来を創り、そして守り、次世代にバトンを渡したい」とも。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース