三重県の伊勢志摩を中心に3月4日、9時10分から広範囲で停電が発生したが、10時35分ごろから順次解消していき、12時2分には影響のあった約19万8353戸で復旧した。原因は変電所の設備の不具合で、停電していた時間は最大2時間52分だった。
中部電力パワーグリッドの9時台に更新されたホームページでは、伊勢市、鳥羽市、志摩市、松阪市、南伊勢町、多気町、明和町、玉城町、度会町の9市町で停電が発生。停電していることが分かるように三重県の地図上の市町域が赤く塗られていた。
停電中の鳥羽市内では、近鉄、JRで、共に運休を見合わせ、通電を待っている様子で、照明のない暗い待合室には多くの観光客であふれ、鳥羽市観光協会の職員ができるだけ観光客の要望に応えようと駅で案内係に徹していた。道路の交通信号も消えているため、鳥羽駅前の交差点では2人の警察官が交通整理をしていた。
近鉄鳥羽駅の中川裕喜助役は「ちょうど9時10分発の賢島行きの特急電車が発車する直前に突然電気が止まった。もし出発してしまった途中で列車が動けなくなって無人駅などに停止せざるをえなくならなくて良かった」と話す。確認すると、近鉄中川駅より北のエリアでは停電はなかったという。
鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の中村文哉社長は自ら外に出てエントランスで入館希望者に対応。非常電源で水槽のろ過や水温調整を行って対応した。
鳥羽市観光協会の世古晃文専務理事は「鳥羽では時折台風の影響で電車が止まることがあるので、緊急時の対応はほかの地域と比べてもスムーズな方だと思うが、今回は電力会社からの情報がない中で、停電が長引くことも想定し、昼食が取れる店の案内や、鉄道が一日動かないことも考えて宿泊施設の確保など、次の手配を検討した。駅の待合室が寒いので、使い捨てカイロを配ろうと商店に買いに行ったが、早朝の停電だったことで店が閉まっていて買うことができなかった」と振り返る。
停電情報は中部電力パワーグリッドのホームページで確認できる。