神領民と言われる伊勢市民らが4月12日、第63回式年遷宮(2033年)で新しく建て替える社殿の建築用材を神宮内に引き入れる伝統行事「御木曳(おきひき)」の最初の行事「御木曳初式(おきひきぞめしき)」が行われた。
五十鈴川をさかのぼって御用材を運ぶ行事「御木曳」(川曳)始まる
神宮の杜の新緑が美しく目に映る風景をバックに、伊勢神宮内宮(ないくう)を流れる五十鈴川には、各地区の団の法被を着た神領民が、「木遣り歌」を歌い「エンヤー、エンヤー」と掛け声をかけ合い、直径約40センチ、長さ約6メートルのヒノキの御用材をそりに乗せ2本の綱で引っ張り、約1キロ先の内宮領までさかのぼって「川曳(かわびき)」により運んだ。
御木曳初式で運び込まれる御用材は、「役木(やくぎ)」と呼ばれる御正殿に用いる重要な木で、「役木曳(やくぎびき)」とも呼ばれ、5月9日から始まる第一次御木曳に先立って行われる。13日には宮川から陸路で外宮(げくう)まで運ぶ「陸曳(おかびき)」が行われる。運び込まれた御用材は、はらい清められ、内宮では五丈殿前に、外宮では九丈殿前に納められる。
この日は、内宮に3本、内宮内にある別宮の荒祭宮(あらまつりのみや)と風日祈宮(かざひのみのみや)にそれぞれ1本と、陸曳のそりで月読宮(伊勢市中村町)に4本、倭姫宮(伊勢市楠部町)に1本がそれぞれ神領民らによって運び込まれた。同時に、瀧原宮(大紀町)に2本、伊雑宮(志摩市磯部町)に1本を運ぶ御木曳行事が執り行われた。