今年4月三重県立水産高校に45歳で入学した志摩市の石神昭年さんが7月14日、新たに「もやい浜の食堂」(志摩市阿児町鵜方、TEL 0599-43-5444)をオープンした。
「もやい浜の食堂・オススメ「もやいスペシャル定食」を食べる石神さんの同級生
クラスメート(同級生)からは「おっちゃん」と慕われ、人気者の石神さん。まもなく1学期が終了する高校生活を聞くと、「授業中は先生に悪いので寝ないように頑張っている。が、正直地獄です…。高校を休んだ日はわずか3日。書記を務める飲食店組合の会議と管理委員を務める漁協の会議が平日に重なったため休まざるをえなかった」と悔しがる。「成績は?」と聞くと「赤点は数学だけだった。これには先生も驚いていた。40点合格に4点及ばなかった・・・」残念ながら夏休みに補習を受けなければいけないという。
現役の漁師と民宿・居酒屋の経営、高校生の3足のわらじを履く石神さんの1日は、朝3時30分起床、4時~7時=漁師、7時~8時=民宿朝食準備、8時30分~15時=高校、15時30分~23時=民宿・居酒屋。授業が午前だけで終わる日など時間があれば海女漁にも出かける。
これ以上余力などないと思う石神さんだが、5月には「コテージもやい」をオープン、さらに今回「もやい浜の食堂」をオープンさせた。「コテージ」は1棟貸しのシステムで1泊4人=10,500円~、宿泊者のいる時間帯にスタッフを配置し、食事などの要望には「漁師宿もやい」で対応する。「もやい浜の食堂」は「漁師宿」と車で3分の近さから石神さんが行ったり来たりしながら運営するという。主なメニューは、1日5食限定のもやいスペシャル定食(1,580円)、お刺身定食(1,080円)、漁師のカレーライス(670円)、漁師天ぷら(550円)、生ビール(500円)など。営業時間は11時~14時、17時~22時。
石神さんは「まだまだ夢半ば。飲食店の開店は全国の不良生徒を受け入れるためでもある。近々東京から2人の生徒が『住みこみ』でやってくる。『漁師の予備校(仮名)』も着々と準備している」と淡々と話す。
「同級生からは夏休みに泊まりに来たいと切望され、順番に『予約』が入っている。宿泊の条件は忙しい時に手伝うこと。宿泊、食事などはもちろん無料、サーフボードもあるし、海までも車で送迎する。3年間仲良くしてもらわないといけないからね。『同級生』には優しくしないと(笑)」とも。
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