建設・建材運送、産業廃棄物処理などを主な事業とする山本建材(志摩市阿児町立神、TEL 0599-45-3608)は今年10月、最新型の「巨大ラジコン」を導入した。
ここでリフォレが黙々とチップにする。木材を堆肥化するスペースも確保。
巨大ラジコンの正体は、建設機械などを製造販売するコマツ(東京都港区)製の自走式木材破砕機「リフォレBR200T」。森林伐採などで出た木材や、木造家屋の解体などから出る建築系廃材などを破砕しチップ化する自走式のリサイクル機械。サイズは、全長915センチ、全高410センチ、全幅299センチ。操作はすべてラジコンで行い、長さ2~3メートル、直径1メートルの太さの木材を処理する能力がある。現在同タイプのものは国内で約250台が稼動し、同社導入分を含めた3台が三重県内で活躍する。広域伊勢志摩圏内では初めて。
1972年創業の同社は、循環型社会の実現に向け地球環境保全活動の一環として1993年、産業廃棄物処理事業部を新たに立上げた。2002年、環境マネジメントシステム(ISO14001)を2003年、工事部・総務部で品質マネジメントシステム(ISO9001)を取得する。
同社の産廃事業は、原油の高騰、地球環境意識の向上などの追い風を受け、順調に推移し、今では建設関連事業に肩を並べるまでに成長。現在、廃油(廃食油)、繊維、紙、ゴム、廃プラ、金属、木くず、ガラスくず、がれき類などを扱い、それぞれの処理方法に従いできるだけ資源化率100%に近づくように取り組んでいる。前年度実績では78.5%を達成。
巨大ラジコンの導入は、三重県が2006年10月、建築系廃材などから出る木くずなどを農地に利用する場合、塗料など有害物質が含まれる危険性を未然防止するために作成した「木くず等の農地等への利用に係るガイドライン」が出たことや、原油高の影響で燃料チップの需要が高まっていることなどがきっかけで、原木などから出る農地などの堆肥(たいひ)用と、建築系廃材などから出る可燃用のチップを完全に分離した。
同社の山本和宏社長は「現在は原油の価格が下がり少し落ち着いたが、地球環境意識の高い優良企業からのオファーはまだまだある。化石燃料に依存しない循環型社会を目指していくためにも地域のインフラとしての役割を果たすために導入を決めた」と説明する。