「海女のおやつでスイーツ」-志摩の郷土食「きんこ」を使って商品開発

海女のおやつでスイーツ-志摩の郷土食「きんこ」を使って商品開発

海女のおやつでスイーツ-志摩の郷土食「きんこ」を使って商品開発

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 志摩地方の郷土食として海女のエネルギー源・おやつとしても親しまれる「干しいも」を使った焼酎やオリジナルスイーツを作ろうと、志摩市商工会「地域資源∞全国展開プロジェクト」が動き出した。

「きんこプリン」の試作品。

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 「干しいも」は、志摩地方では「きんこ」とか「にっきりぼし」などと呼ばれ微妙に地域ごとでも呼び名が違うが、志摩地方の痩せた土地に適した「隼人いも」を蒸して乾燥させた加工品のことをいう。近年のヘルシー志向、自然食ブームの影響を受けて「きんこ」の需要も増えている。

 そこに目をつけたのが、地域の特産品などをブラッシュアップして全国の市場に売り出そうと目論む志摩市商工会が中心になって組織する小規模事業者新事業全国展開支援事業委員会(委員長=坂下啓登さん)。2008年は日本一の生産量を誇るアオサを、昨年は、真珠養殖や漁業の中で捨てられていたり小ロットで流通させるには難しかった材料を、それぞれ付加価値をつけて商品化した。

 同委員会の2回目の会議が7月29日に開かれ、「きんこ」を使用したスイーツの試食会が行われた。出来上がった試作品のスイーツは、アイスクリームやタルト、生キャラメル、プリンなど9品。

 同委員会副委員長で追手門学院大学教授の吉村裕之さんは出来上がった試作品を試食し、「どれもおいしくし仕上がって完成度も高い。これらの商品を単品で販売するのではなく束ねて売り込んでいくことが大切だと思う。イモの栽培から体験させる体験型農園との連動でさらにブランド化を図ることも面白いのでは」と感想を漏らした。

 海女文化に詳しい横山ビジターセンター(阿児町鵜方)事務長の伊藤芳正さんは「この地方の土地はリアス式海岸ゆえ狭くやせている。『隼人いも』というオレンジ色のサツイマイモがやせた土地で育つことから、栽培は昭和の中ごろから始まったのでは。海女が海で漁をできるのはせいぜい90日。海女は、漁に行けない時や気温が下がる冬場には農作業で『隼人いも』を栽培し、できたイモを蒸して乾燥させる『きんこ』を作った。昔は食べるものも乏しく、『きんこ』が唯一の栄養源だった。海女たちは保存にも適した『きんこ』を持参して漁の合間に食べ、エネルギー源としていた」と説明する。

 同委員会は、今回の試作品をさらにブラッシュアップし9月7日~10日に東京ビッグサイトで開催される「グルメ&ダイニングスタイルショー秋2010」に出品し、来場者の試食後の感想などのデータを収集し、今後の商品開発に生かす予定。

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