国の特別天然記念物「オオサンショウウオ」が今年2月、愛知県愛西市を流れる木曽川の下流(河口より約15キロ)で発見された。さまざまな機関を経由し志摩マリンランド(志摩市阿児町神明、TEL 0599-43-1225)までたどり着いた。
オオサンショウウオは、日本固有種で「世界最大の両生類」と呼ばれ、全長は最大1.5メートルにもなり、60~100年生きるとも言われる。3000万年以上前からほとんどその姿を変えることなく生き続ける「生きた化石」。文化庁の特別天然記念物、環境庁の絶滅危惧(きぐ)II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。
同個体は、桑名市の男性が漁獲目的で仕掛けたかごの中で見つかったもので、捕獲された場所が汽水域で一般的にオオサンショウウオが生息できる環境ではないことから、桑名市、三重県教育委員会を経由し、志摩市の同水族館までたどり着き保護することになった。このほど文化庁から保護飼育の許可が下り、同水族館で8月4日から一般公開することになった。見つかった当時の個体の大きさは、全長27.5センチ、体重120グラム、推定5~8歳くらい。
同館研究員の里中知之さんは「オオサンショウウオは岐阜県以西の本州と四国・九州の一部の河川に分布する。おそらく木曽川上流域の岐阜県のどこかから流れてきたものだと推測する。今後DNA鑑定を行い、木曽川水系か長良川水系かもしくは雑種化かを調査する。当館は、過去に日本サンショウウオセンター(名張市)から分譲の個体を18年10カ月飼育した記録を持つので、さらに大きく育てたい」と話す。
開館時間は9時~17時。入館料は、大人=1,250円、中高生=700円、小学生=500円、幼児(4歳以上)=300円。