新月から数えて15日目の夜にあたることから「十五夜」、新物のサトイモを供える風習から「芋名月(いもめいげつ)」などと呼ばれ、毎年旧暦の8月15日の月を「中秋の名月」と呼ぶ。昨年は10月3日、今年は9月22日にあたった。伊勢志摩の各地でも観月会が開催された。
毎年伊勢神宮外宮外苑勾玉池の舞台で開催される観月会は、今年は内宮神苑で行われた。幻の宮殿とされる斎宮(多気郡明和町)跡地では「斎宮観月祭」が、2,000本のロウソクを灯し月舞いや雅楽演奏が執り行われた。
シーカヤックと月見をセットにしたアクティビティも登場。合歓の郷ホテル&リゾート(志摩市浜島町)の「中秋の名月 お月見ナイトカヤック」、志摩自然学校(同大王町)の「海から眺める中秋の名月&月明かりコンサート」は、現代風のお月見。波静かな英虞湾の名物になりそうだ。
「ちょんまげワールド伊勢 安土桃山文化村」(伊勢市二見町)では、今年初めて「観月祭」を企画、夜間の特別営業時間を設け、二胡演奏や「二見の塩ようかん」の振る舞いなどがあり、大勢の参加者を集めた。
コメディアンの萩本欽一さんが、2008年(平成20年)7月から無償で村内の役者たちの養成に、村の集客に、情熱を燃やしている。同年10月に村長に就任して以来、入場者数も少しづつ増加傾向にある。同村には、本能寺の変で焼失した安土城がほぼ忠実に再現され村内の山の上に建つ。萩本さんは「安土城を僕の記念館にする(笑)」と同村再生にかけ、夢の実現にまい進する。その安土城を、2010年の中秋の名月が煌々(こうこう)と照らした。