
課題部門で最優秀賞を受賞したメンバー(左写真)、表彰式の様子(右写真)
鳥羽商船高等専門学校(三重県鳥羽市、校長:古山 雄一、以下「鳥羽商船高専」)情報機械システム工学科の学生が、令和7年10月11日(土)・12日(日)に島根県松江市で開催された「第36回全国高等専門学校プログラミングコンテスト(以下、高専プロコン)」本選に出場し、課題部門で最優秀賞・文部科学大臣賞・情報処理学会若手奨励賞・電子情報通信学会若手奨励賞を受賞しました。さらに、自由部門でも特別賞を受賞しました。
高専プロコンは、高専生が情報通信技術を駆使し、発想力と実現力を競う全国大会です。

「しらせーる」デモンストレーションの様子
課題部門で最高賞を受賞した作品「しらせーる」は、三重県鳥羽市で盛んなシラス漁をテーマに、過去の操業情報と海洋データから最適な漁場を予測し、持続可能な漁業を支援するシステムです。地域課題の解決に貢献する点が高く評価され、本部門での最優秀賞受賞は2年連続となりました。「しらせーる」を制作したチームのリーダーは、「課題部門のテーマが『ICTを活用した環境問題の解決』だったため、私は減少傾向にあるシラス漁に注目して取り組みました。 シラス漁師である父のためにICTを活用して貢献できたことが嬉しかったです。今後はさらに改良を重ね、実際に活用できるシステムとして広めていきたいです」と喜び、「今後はビジネスモデルの構築にも力を入れていきたい」と意気込みを語りました。
自由部門で特別賞を受賞した「BIRDLOCK」は、養殖場での鳥による食害を検知し、放水で追い払うシステムです。LINE通知機能により、遠隔からの状況確認も可能です。「BIRDLOCK」を制作したチームのリーダーは、「初めてリーダーとして挑んだ自由部門では、半年かけて作ったハード中心のシステムを発表する緊張の2日間でした。 無事に動作し特別賞を受賞できて嬉しい反面、悔しさも残りました。来年は後輩たちに優勝を期待しています」と話しました。

「BIRDLOCK ―養殖魚用食害対策システム―」デモンストレーションの様子

競技部門で競技する学生の様子(「2」と表示されたテーブルで競技したのが鳥羽商船高専のチーム)
競技部門は、本選への出場権を得たチームが会場で競技を行いました。競技は、場面上のマスに割り当てられた数字を手掛かりに、同じ数字同士のペアを見つけ出すというものです。手数や回答時間により順位が決まりました。女子学生3名で臨んだ競技は、予選を突破し、準決勝で上位進出、ラストワン決勝戦に出場しました。チームのリーダーは、「メンバー全員競技部門に初めての参加だったこともあり、手強いパズルに最初は苦戦の連続でした。 本番までの間何度も評価関数や探索戦略の改善を重ね、メンバー内でもスコアを競いながらなんとか完成させたプログラムが本番で無事動いたときの感動は忘れられません」と競技を振り返りました。
今回、課題部門の受賞チームは、令和8年3月にベトナム・ハノイで開催される国際プログラミングコンテスト(NAPROCK主催)への出場推薦を受け、さらに情報通信研究機構(NICT)主催の起業家甲子園への出場権も獲得しました。
