志摩で豚・鶏・牛の精肉卸・小売をメーンとし、羊肉を販売しない「羊屋」（志摩市磯部町的矢、TEL 0599-57-2218）のオリジナル「豚肉みそ漬け」が人気を集めている。

皿の上に盛り付けた羊屋のオリジナル「豚肉みそ漬け」

　「子どものころ、真珠の販売をしていた父が、伊勢で真珠の入札があると必ず帰りに牛肉を買ってきてくれて家族全員ですき焼きをして食べた。兄弟が多かったため満足のいくほど食べられなかった。大きくなったらおなかいっぱい牛肉が食べられるような仕事に就きたいと思い、北海道の大学で農学部に進み畜産を勉強し肉屋になろうと決意した。しかし、北海道で初めて食べたジンギスカンの羊肉の味のおいしさと値段の安さに感動し、志摩でこの羊肉を販売したら売れると思い、店名を『羊屋』として精肉店を開業した…が、実際には売れなかった（笑）。今では店名の説明に、『私が未年でヒツジ好きだから』と説明している」とおおらかな笑顔で説明するのはオーナーの西村晃男さん。

　主に、業務用の精肉の販売と、地元磯部町や阿児町の会員に対して豚肉や鶏肉、牛肉のセットを毎月定期的に配達する。地元常連客からは「羊肉を売らない羊屋」と「ネタ」にされながらも人気が高い。

　「豚肉みそ漬け」の豚肉は一志町で飼育する「伊勢の国健康豚」を使用し270グラム6～8枚入りのものを600円で販売する。「『豚肉みそ漬け』は毎月配達するセットの中に、試食も兼ねて入れたところ、『みそ漬けだけの販売はしないの？』ともう一度食べたいという客が増えたことから、正式に商品化した。一度食べた客が口コミで紹介してくれて、しかも10個20個単位で購入していただけることもある」と西村さん。

　「現在、年内発送の注文分をこなすのに一苦労しているので約束はできないが、年明け早々の配達にはできるだけ対応したい」とも。

　営業時間は9時～18時。日曜定休。商品の注文は事前予約が必要。