伊勢志摩から「サンピラー(太陽柱)」観測、その後太陽は「アコヤ貝」に変身

伊勢志摩から「サンピラー(太陽柱)」観測、朝日が出るとその後太陽は「アコヤ貝」に変身。撮影=向井正明さん

伊勢志摩から「サンピラー(太陽柱)」観測、朝日が出るとその後太陽は「アコヤ貝」に変身。撮影=向井正明さん

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 真冬の寒い日の、日の出や日の入り時刻前後にまれに見ることができる珍しい自然現象「太陽柱=サンピラー(sun pillar)」が2月2日、伊勢志摩の海岸から現れた。

水平線から大きな「アコヤ貝」が出現

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 撮影に成功したのは志摩市立越賀中学校教諭の向井正明さん。向井さんは自宅の窓から見える志島広岡の浜(阿児町志島)の沖合いの水平線から6時40分ごろ、縦に長い光の柱が現れたため、急いでシャッターを切ったという。その後サンピラーが消え朝日が出ると6時50分ごろ、水平線から完全に顔を出す前の数秒間、蜃気楼(しんきろう)の一種でいわゆる「だるま朝日」と呼ばれるダルマのような形の太陽を撮影した。

 向井さんは「今日は曇りだと思っていたのであきらめていたが、東の空を見るとサンピラーが出ていたので驚いた。どちらも珍しい自然現象の『サンピラー』と『だるま朝日』を見ることができてラッキーだった。『だるま朝日』が出ると、(伊勢志摩の特産品の真珠を作る)アコヤ貝に似ていることから、我が家の子どもは『アコヤ貝』と呼んでいる」と話す。

 「サンピラー」は、極寒の地や冬場の寒い時期に現れる自然現象の一つで、上空大気中の氷晶(氷の結晶)に太陽の光が反射して生じる現象のこと。日本では特に、北海道などで冬のニュースとして取り上げられることが多い。仕組みは、大気中の水蒸気が氷点下15度以下になると六角形の板状をした氷晶になり上空を漂った状態になる。光の柱のように見えるには、風など大気中の空気の動きが少ない時に、氷晶が地表に対してほぼ水平に浮かぶため太陽の光が一定方向に反射し柱のように見える。

 太陽の形がダルマのように見えることからそう呼ばれる「だるま朝日」は、大気温が海水温より低いとき、海面近くの大気が暖められ大気の層がレンズのような役割をして起こる光の屈折現象をいい、海外では形がギリシャ語のΩ(オメガ)に似ていることから「omega sunrise(オメガサンライズ)とも呼ばれる。なかなか見ることができないことや縁起物のダルマを連想することから「見ると幸運をもたらす――」とも言われている。ダルマ朝日に魅せられるアマチュアカメラマンも多い。

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