「2月・3月のカキがおいしいことをお客さまが徐々に気付き始めた」と話すのは三重ブランドにも認定されている「的矢かき」の養殖・販売を手がける佐藤養殖場(志摩市磯部町的矢、TEL 0599-57-2611)常務の佐藤文彦さん。
「一般的にカキは12月の後半に出荷のピークを迎えると、その後は業務用以外の個人客からの注文は少なくなるが、最近は身が大きくなり甘みを増す2月・3月のカキをインターネットなどで注文してくれる人が増えた」と佐藤さん。「日本人は四季を先取りする文化があるため、本来の旬の食材のおいしい季節が前倒しでずれる傾向にある。カキも同様で、『カキ=秋から冬の食べ物』のイメージがつき、飲食店など業務用の注文は10月~12月に偏ってしまう。しかしながら本来身が大きく成長しおいしいのはこれからの季節」と断言する。
今日、生ガキがおいしく食べられるのは、佐藤さんの祖父に当たる佐藤忠勇博士(1887~1984)が1953(昭和28)年に発明したカキ浄化法によるもので、その浄化法は今ではカキ養殖にとってなくてはならない最も重要で基本的な技術となっている。
近年、鳥羽市浦村地区にできた「浦村カキ」を食べ放題・詰め放題させる施設の集積群は、気軽にカキを食べる機会を与え、週末には多くのカキファンでにぎわっている。2月19日には「浦村・牡蠣(かき)の国まつり」があり、大勢の客が詰めかけた。
2月27日には「的矢かき感謝祭」が的矢駐車場で開催される。焼きカキやカキフライなどのカキ料理、カキのバケツ詰め放題のほかカキの養殖場をシーカヤックで試乗するイベントなどを予定。開催時間は10時~14時。問い合わせは志摩市観光協会(TEL 0599-46-0570)まで。