3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震による津波の影響で12日、伊勢志摩地方にも沿岸部で被害が発生している。現在も断続的な津波が観測されているため各自治体は、海岸近くへ近寄らないよう呼びかけている。
英虞湾(志摩市)や五ヶ所湾(南伊勢町)、浦村湾(鳥羽市)では津波による海面上昇と下降を繰り返している。人工的に掘られた太平洋と英虞湾をつなぐ志摩市の深谷水道付近(大王町船越と志摩町片田)では、津波の影響で激しい海流が発生。
「昨日はここ(英虞湾)が川のように勢いよく流れ、10台あった真珠イカダが全部流された」と話すのは片田地区で50年以上真珠養殖を営む平賀昭司さん。真珠養殖20年以上の松本善美さんは「片田と船越のイカダやビン玉が1カ所に集まって航行も難しいくらい」と説明する。
南伊勢町迫間浦でマダイ養殖を営む大下弘和さんは「山に登って確認した人が『養殖イカダが移動して1カ所に集まっていた』と確認してくれたが、避難指示が出ているので海に出ることができない。手も足も出ない」と肩を落とした。
伊勢市災害対策本部によると、大淀(おいず)港で5トンと1トンの船が沈んでいるのを確認、鳥羽市は浦村湾でカキイカダが漂流。14時現在、避難指示を発令する自治体は志摩市、南伊勢町、大紀町、避難勧告が伊勢市、鳥羽市、明和町となっている。
明野駐屯地(伊勢市小俣町)陸上自衛隊は、早朝5時に第10飛行隊の多用途ヘリコプター(UH-1)2機を、11時30分に航空学校教育支援隊の輸送ヘリコプター(CH-47)1機を資材空輸用として現地に派遣した。
TBSやNHKは、停電や受信機の故障などテレビを見ることができない人への対応として、スマートホンやパソコンなどインターネット回線を活用したライブ配信をユーストリーム(Ustream)やニコニコ生放送などで行っている。