近鉄賢島駅(志摩市阿児町神明)の名物駅長=ペンギンの「志摩ちゃん」(メス10歳)専用の「ペンギン駅長室」が5月29日、同駅ラッチ外コンコースに設置された。
この日、志摩ちゃんと一緒に電車に乗るツアー企画「ペンギン列車と志摩マリンランド『バックヤード体験』」に参加した120人の家族連れやカップルらと共に「ペンギン駅長室」の除幕式が同駅で開催された。式には、大口秀和志摩市長や山崎昭志摩市観光協会副会長らも駆けつけ、駅長室の完成を祝った。和歌山電鉄の執行役員で貴志駅の「スーパー駅長」ネコの「たま」からは、「駅長室完成おめでとうニャンゴ!ますます特別駅長としてのご活躍に拍車がかかりそうニャーオン!」と祝電が届いた。
駅長室は、鉄骨・ベニヤ張り(幅40センチ、高さ70センチ、奥行き80センチ)、改札口にボルトで固定し、壁には氷をイメージしたレンガをイラストし、正面に「ペンギン駅長室」の看板を揚げた。式が終了すると志摩ちゃんは、ツアー参加者らの記念撮影に応じていた。
志摩ちゃんは、2001年5月4日「志摩マリンランド」(同)生まれのフンボルトペンギン。好きな食べ物はアジやワカサギ、性格はおっとりタイプで、チャームポイントは背中のクセ毛、たまに勤務中でも居眠りをしてしまう。普段は、近鉄グループでもある同水族館の正面にあるプールで泳いだり、歩いたりするのを見せる「仕事」をしながらそこで生活するごく普通のペンギンだった。ある日突然(一昨年11月)、同駅の特別駅長に就任することに…。
特別駅長の仕事は、近鉄の社章と金色の2本線が入った帽子をかぶり、近鉄のマークの入ったネクタイを付け出勤し、駅の改札口で乗降客に笑顔で挨拶したり、駅長の名刺を渡したり、記念撮影に応じたりすること。
志摩ちゃんの「部下」に当たる同社鉄道事業本部名古屋輸送統括部運輸部事業課の加藤修平さんは「駅長室が完成し、今後の志摩ちゃんの活躍に期待したい。和歌山のたま駅長らが中心となって全国の動物駅長を集めた『動物駅長サミット』を開催したいと話し合っている。今後の動きにも注目してほしい」と期待を寄せる。
今後の志摩ちゃんの出勤日は、6月12日、26日の10時~11時。6月18日に開催予定の「ペンギン列車」企画もほぼ完売している。