8月1日に伊勢神宮に参拝する「八朔参宮(はっさくさんぐう)」といわれる伊勢地方の風習を再現し、この日に浴衣で参拝しようと呼び掛ける「外宮さんゆかたで千人お参り」が同日、今年も1000人以上の浴衣姿の市民らを集め開催された。
同イベントは、伊勢神宮内宮周辺に比べ寂しくなっていく外宮周辺のまちのにぎわいと活力を取り戻すため、1997年から活動するNPO「外宮にぎわい会議」らが中心となって企画したもの。1998年から始まった。浴衣で参加した人の数は1回目こそ1000人に満たなかったが、それ以降は年々増加。今では伊勢の夏の風物詩となり、大勢のカメラマンも引き連れてのにぎやかな参拝となっている。
この日の17時~20時の参拝者は2891人で、そのうち1208人が浴衣を着用。伊勢出身の女優・岡明子さんや鈴木健一伊勢市長らを先頭に、そぞろ歩きしながら真夏の夕暮れ時の神宮を参拝した。「伊勢志摩おもてなしの会」のメンバー「伊勢なでしこ」たちも浴衣姿で参加者の世話係に回った。
また同NPOは、外宮の別宮にあたる「月夜見宮(つきよみのみや)」(内宮の別宮は「月讀宮(つきよみのみや)」)から外宮までの神路通を白馬に乗った月夜見尊が豊受大神に会いに行ったとされる神話「白馬伝説」を伝え、月夜見宮への参拝も促そうと神路通を竹と和紙で作った灯籠で彩った。
参加した浴衣姿の20代女性は「今回で3回目。どんな浴衣を着ようか、この日が来るのが楽しみになってきた。来年はどんな浴衣を着ようかもう今からワクワクする」と感想を漏らした。