「時がくれば必ず願いが叶うんだ。いつかきっと『伊勢』が呼んでくれると思っていた。ある時からとても意識をするようになりずっとこの場所に来たいと願っていた」と話すのは和太鼓バンド「GOCOO(ゴクウ)」のリーダーKAOLY(カオリー)さん。
三重県営サンアリーナ(伊勢市朝熊町)で10月2日、GOCOOのコンサートがあった。冒頭の言葉はカオリーさんがステージで観客に語りかけたもの。カオリーさんは白い衣装をまとい長い髪を振り乱しながら太鼓を叩いた。3月11日の大震災から感じたことを曲にした「Eleven(イレブン)」も披露。会場には約500人のファンが詰め掛けた。同コンサートは、三重県文化振興事業団の助成を受け実現した。
1997年から活動開始し女性8人男性4人の和太鼓グループGOCOO、国内はもちろんヨーロッパやオセアニア、中南米に広がる世界で活躍、延べ28カ国168回(2011年6月現在)のライブをこなし、ハリウッド映画「マトリックス」のサウンドトラックにも参加する。
当日コンサート前には、地元の和太鼓グループ「田丸城太鼓保存会」「神恩太鼓」のメンバーら44人(うち子ども27人)と太鼓演奏のワークショップも開いた。
「震災後、海外ライブでは必ず『イレブン』を演奏している。多くのファンや一緒に共演したアーチストらが、日本のことを憂い日の丸にメッセージを書いてくれた。ただの1枚の布ではあるが、そこに一人ひとりの祈りが込められた時、ただの布ではなくなること、祈る力の大切さに気付いた」とカオリーさん。
翌日、GOCOOメンバーらは伊勢神宮に正式参拝を行い、それぞれの思いを神前に報告した。