江戸時代、伊勢神宮のツアーコンダクターやセールスマン的な役割を担った「御師(おんし)」らによって流布した「伊勢暦」の現代版「伊勢講ごよみ」カレンダー2012年が、伊勢文化舎(伊勢市神田久志本町、TEL 0596-23-5166)より販売されている。
御師らが神宮大麻の配布と同時に持参した「伊勢暦」は太陰太陽暦を基に作られた今のカレンダーのようなもの。情報が少ない時代背景の中で大変重宝され、江戸時代享保年間(1716~1735)には全国で約200万部が出版されていたという。現在は伊勢神宮・神宮司庁から「神宮暦」として形を変え発行されているが、「伊勢講ごよみ」はまちおこし団体「ザ・伊勢講」(同)が「伊勢暦」の再現を――と企画し発行していたものを同社が2010年から引き継ぎ発行、今回で22作目を数える。
今回の「伊勢講ごよみ」はテーマを「ご遷宮への道」と題して、前回の遷宮時に撮影した諸祭を地元カメラマンの阪本博文さんの写真をメーンに製作。「立柱祭(りっちゅうさい)」「上棟祭」「神嘗祭(かんなめさい)」などを紹介する。
同社の中村賢一社長は「平成25年秋の遷御に向かう前年の2012年、期待感高まる神域の様子を伝えた」と話す。
仕様はB3判7枚つづりで、価格は500円。発行部数は6000部。伊勢志摩、松阪、津、鈴鹿などの主要書店、同社窓口で販売するほか、電話でも受け付けている。