冬至の12月22日早朝、伊勢神宮内宮の五十鈴川に架かる宇治橋と鳥居を結ぶ直線上に、天気が良ければ太陽が現れる。
冬至を挟む前後2カ月間、宇治橋と鳥居の中央から朝日が昇る。その神々しい朝日をカメラに収めようと近年、早朝より大勢のカメラマンが宇治橋前に並ぶ。特に冬至の朝にはほぼ中央に朝日が昇ることから深夜から陣取るカメラマンも見られるようになった。
伊勢神宮は、内宮に太陽を神格化した神=天照大御神(あまてらすおおみかみ)、外宮に衣食住を司る神=豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭っている。内宮、外宮に別宮、摂社、末社、所管社を含めた合計125の社宮を総じて「神宮」と呼ぶ。昨年伊勢神宮(内宮・外宮)を参拝した人の数は882万人で過去最高だった。
宇治橋は全長101.8メートル、幅8.4メートル。39本の橋脚は水に強いケヤキ材を使用、渡り板616枚など橋脚以外はヒノキ材を使用する木造純和橋。その両端に大きな鳥居が建ち、鳥居の太いヒノキ材は前回の遷宮後、解体された外宮と内宮の正殿で使われていた棟持(むなもち)柱を再利用したもの。橋の入り口に建つ鳥居が外宮、渡った神苑側のものが内宮のもの。さらに次の遷宮で「七里の渡し(しちりのわたし)」(桑名市)、「関の追分(せきのおいわけ)」(亀山市)に立つ鳥居として、それぞれ移され再々利用される。
伊勢市観光協会(伊勢市本町)は同日の朝日が昇った後、内宮駐車場に設置したテントで「冬至ぜんざい」300食を無料で振る舞い、ユズ300個を無料配布する「冬至祭」を開催する。