一年のうち最も夜の時間が長い冬至を迎えた12月22日、伊勢神宮内宮宇治橋前には宇治橋と鳥居の中央から現れる「ご来光」を拝もうと約400人が集まった。
冬至を挟む2カ月間だけ鳥居の中央を朝日が通り抜ける。特に冬至の当日は、ほぼ中央から朝日が出ることから多くの人がその光景をカメラに収めようと朝早くから列をなし集合する。
この日はあいにくの曇り空。正面の島路山から朝日が出る7時40分ごろまで待ったが、雲に隠れ見ることができなかった。その場に居合わせた人たちは思い思いに「今年は駄目でした」「また来年」などと残念がった。諦めた人たちは、カボチャ入りのぜんざいを無料で振る舞う伊勢市観光協会(伊勢市本町)の「冬至祭」に再び列を作った。
天皇に代わって伊勢神宮に仕え都から伊勢に派遣された斎王(さいおう)を思い創作した「斎宮の舞(いつきのまい)」の振り付けを担当した日本舞踊・勝美流家元の勝美伊三次(かつみいさじ)さんも冬至の朝日を見ようと参加。「今日は見ることができなかったが、この場にいることだけでありがたく、とてもすがすがしい」と感想を漏らした。
伊勢神宮の125社では12月15日~25日までの期間、月次祭(つきなみさい)が粛々(しゅくしゅく)と執り行われている真っ最中。6月の月次祭、10月の神嘗祭(かんなめさい)、12月の月次祭を三節祭と呼び、神宮の中では最も重要な祭りとされている。23日は、天皇陛下の誕生日を祝う祭り「天長祭(てんちょうさい)」が執り行われる。