オレンジのカラーリングでお馴染みの近畿日本鉄道(大阪市)の特急電車が12月23日、車体をダークグリーンに変えて伊勢志摩までやってきた。
同電車は、同社のグループ企業「クラブツーリズム」(東京都新宿区)の専用列車として、12200系の列車を約4,000万円掛け改造したもの。特定の旅行会社が年間を通して専用に使用する団体列車の運行は国内初。
車体をダークグリーンにカラーリングした同電車、車内には催しなどが行えるスペース、バーカウンター、自動洗浄機付きトイレを設置、床にカーペットを敷くなど豪華な設備に仕上げた。2両1編成を2編成(合計4両)で、近鉄大阪線、奈良線、京都線、橿原線、名古屋線、山田線、鳥羽線、志摩線の路線を近鉄とクラブツーリズムが共同で運行する。旅行企画の参加人数に合わせて2両や4両の編成にしながら、「旅行がもっと好きになる電車」を目指す。ネーミングの「かぎろひ」は万葉集から取った言葉で「輝く光・朝日の美しい空」を意味するという。年間4万5,000人の利用者を見込んでいる。
初運行に当たるこの日は、大阪上本町駅から鵜方駅までの区間を走行。志摩スペイン村(志摩市磯部町)までのクリスマス日帰りツアーに174人が参加した。
「今後『カルチャー列車』や『ワイン列車』『ビール列車』『うたごえ列車』『カラオケ列車』などユニークな列車ツアーを計画。車両ごとでアナウンスができるオーディオ設備を活用し、目的地までの移動時間を講座やミニイベントなどの開催でより楽しく、これまでにない移動空間を演出する」(クラブツーリズム担当者)。
24日は名古屋発着の同ツアーが、26日~28日は大阪上本町発着の日帰りツアー「年忘れ!特別企画~吉本お笑いイベント列車」、12月31日~来年1月2日は首都圏発着1泊2日のツアー「伊勢神宮『外宮』『内宮』両参り」が計画されている。