「星空案内人(星のソムリエ)」や「自然観察指導員」などの資格を持ち志摩市内の小学校教師を務める同市在住・宮本秀明さんが2月12日の夕方、国際宇宙ステーション(ISS)の軌道の撮影に成功した。
ISSは、地上から約400キロメートル上空に建設された巨大な有人実験施設。アメリカ・ロシア・欧州・カナダなど世界15カ国が参加する国際協力プロジェクトで、地球を約90分で1周するスピード(秒速約7.7キロ)で1日約16周する。さまざまな宇宙実験・研究、地球や天体の観測などを行い、日本はその一部となる日本実験棟「きぼう」を開発し参加。今年6月には、日本人宇宙飛行士として星出彰彦さんが長期滞在を予定。
宮本さんは、自然との触れ合いが大好きだった母の影響を受け星空に興味を持ち、その素晴らしさを子どもたちに伝えようと理科の教員に。南米チリの標高2400メートルの地に電波望遠鏡を設置し宇宙観測を行う「なんてんプロジェクト」に関わった大西利和さんは同じ小学校で共に星空への憧れを抱いた親友でもある。市内の横山ビジターセンターや志摩オートキャンプ場でも定期的に星空を案内する。昨年12月の皆既月食時にも地元の人たちに星の観察会を行った。
写真は、この日の18時41分から43分までの約2分間、志摩スペイン村(磯部町)のジェットコースターとヤシの木の上空を捉えたもの。木星と金星も同時に撮影した。
宮本さんは「ISSは、南西から現れ、木星の隣、すばるとアルデバランの間を通り、ほぼ真上を通過していった。木星以上の明るさがあり、これまで10回程見た中で一番明るかった」と話す。「ISSが、日本上空を通過するチャンスはまだまだたくさんあるので、観測し、宇宙への関心を高めていただくきっかけになれば」とも。