伊勢神宮に初々しい10人の巫女たちが、参拝者の奉納する神楽を舞うため、神楽の基本の舞「倭舞」を懸命に練習している。3月25日、その様子が報道関係者に披露された。
彼女たちは、今年三重県内の高校を卒業したばかりの独身女性。18歳から5年間伊勢神宮に奉仕し、主に内宮・外宮の神楽殿において参拝者の奉納する神楽を舞う。現在31人の舞女が在籍しているが今年6人が卒業するため、4月2日の辞令で彼女たち10人が加わり35人となる。伊勢神宮では一般的に「巫女」とよばれる彼女たちのことを「舞女(ぶじょ・まいひめ)」とよぶ。
練習中の舞「倭舞(やまとまい)」は、1873(明治6)年に内宮祈祷所(のちの神楽殿)で神楽を奉奏する際に鎌倉時代から伝わる少女舞を改作した伊勢神宮オリジナルで、神楽の基本の舞となる。通常4人で舞う(初神楽では6人)。彼女たちは、舞女を務める期間、「豊栄」「浦安」など合計7曲をマスターする。
21日から研修を受けている彼女たちは、舞女としての神宮の仕事を学ぶ中、限られた時間の中で踊りの練習に励んでいる。楽師の坂口光宏さんは「姿勢良く、曲の流れに乗るように」と練習用のさかきを手に取りながら、手の運び方や体の回転の仕方などを指導した。
彼女たちが参拝者の前で舞うのは4月中旬ごろになる。