20年に1度、社殿や神宝などを新しくする式年遷宮が着々と進められている伊勢神宮の内宮(ないくう)で5月23日、新しい正殿の屋根にカヤを葺(ふ)き始める祭典「檐付祭(のきつけさい)」が行われた。
新しい正殿の屋根にカヤを葺き始める祭典「檐付祭(のきつけさい)」
同祭は、建築の神様・屋船大神(やふねのおおかみ)に「カヤの束が乱れないように、結び目が緩まないように」と祈願し、かやぶき工が正殿南ののきの端からカヤを葺き始める祭り。神宮式年造営庁の主事3人、技師1人、小工(こだくみ)4人、 かやぶき工2人のほか、神職らが参加し厳かに執り行われた。
式年遷宮で使用されるカヤは、全て神宮所有の山で栽培された「メード・イン・伊勢神宮」。内宮と外宮ほか、14の別宮、御稲御倉(みしねのみくら)など32の社殿の屋根用に、5年間をかけ約2万3000束を準備する。1束は、長さ2.4~2.7メートル、重さ25キロで、きれいな束にして乾燥させたものを使う。
屋根に飾り金物を取り付ける祭典「甍祭(いらかさい)」(7月21日=内宮、同23日=外宮)までの約1カ月をかけてカヤを葺き、完成させる。
外宮の「檐付祭」は25日に行われる。