猿田彦神社(伊勢市宇治浦田)の境内に立つ佐瑠女(さるめ)神社の例祭宵祭が8月17日、同神社で開催された。境内には全国から奉納された約3000灯のちょうちんが飾られ、同祭限定のかわいい手提げちょうちん「真女(まめ)ちょうちん」が特別に授与された。
佐瑠女神社は、アメノウズメを祭る。アメノウズメは、古事記・日本書紀に書かれている岩戸伝説の中でアマテラスを岩屋から出し、世の中を暗黒の世界から救出したとされる立役者の一人。一番最初の巫女(みこ)、後にサルタヒコと結婚したとされる。同神社は、踊りの神様、芸能の神様として知られ、近年歌謡や舞踊などを習う人たちによる参拝が増加。特に元・桂三枝さんが桂文枝襲名奉告を行った2月22日以降、芸能人による参拝が急増しているという。
この日は、昼間に小学生によるバレーボール、野球、サッカーの3種目で奉祝スポーツ大会「佐瑠女杯」がそれぞれ開催され、夕方から執り行われた宵祭では、特設ステージで「観光戦隊イセシマン」によるショーや桂文枝さんの弟子の「桂三輝(さんしゃいん)」さんによる落語、猿田彦神社の「さだひこ太鼓」の演奏などが披露された。
辺りが暗くなると桂三輝さんの点灯の合図で、一斉に3000灯のちょうちんに明かりが灯り、境内全体が幻想的な光の空間に包まれた。点灯はこの日一夜限り。祭りを見に来た伊勢市在住の女性は「昨年始めて祭りを見に来て、幻想的なちょうちんの光に感動したので、今年も絶対見に来ようと誓った。アメノウズメノミコトさまに包まれているよう」と形容した。「一夜限りとは、少し儚(はかな)い気もするが…」と付け加えた。
18日の例祭では、献花、巫女たちによる「豊栄の舞(とよさかのまい)」が佐瑠女神社前で行われた。同神社は、1976(昭和51)年に境内社として立てられ同祭は、その翌年から毎年開催する。