桂三枝さん、「笑い」奉納-桂文枝襲名で伊勢・猿田彦神社へ

桂三枝さん、「笑い」奉納-桂文枝襲名で伊勢・猿田彦神社へ

桂三枝さん、「笑い」奉納-桂文枝襲名で伊勢・猿田彦神社へ

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 今年7月16日に「六代桂文枝(かつらぶんし)」を襲名する落語家の桂三枝さんが2月22日、導きの神様「猿田彦神社」(伊勢市宇治浦田)へ襲名奉告と、襲名披露公演の成功祈願を行った。

桂三枝さん、お客さまに背を向け 猿田彦大神様に「笑い」奉納

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 「結び柏」の紋を付けた羽織とはかまで同神社本殿に登場した三枝さんは、おはらいを受けると玉串を拝礼、その後猿田彦大神に対して落語を奉納した。

 三枝さんは、大阪府堺市出身、1943(昭和18)年生まれ。1966年、関西大学在学中に桂小文枝(故・五代目桂文枝)に入門、45年間「桂三枝」として上方落語を支えてきた。2003年、第6代目の上方落語協会会長に就任。一方、司会やタレントとしても活躍、1971年から放送を続ける「新婚さんいらしゃい!」(ABC)は、放送回数2000回を超える長寿番組に。「創作落語」を定期的に発表するグループ・落語現在派を旗揚げ、現在までに220作以上の作品を発表。「夢いちもんめ―真珠王御木本幸吉物語」は鳥羽市出身のミキモトブランドの創始者=御木本幸吉を笑いに変えた創作落語だ。

 昨年7月16日自身の誕生日に「六代桂文枝」を襲名することを発表、69歳になる今年同日、襲名する。伊勢志摩との関わりは、1967年に5日掛け徒歩で伊勢参りを敢行、鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)名誉館長の中村幸昭(はるあき)さんとは50年来の仲。同水族館の名誉顧問も務める。

 伊勢に前日から宿泊していた三枝さんは、実際に昨日から今朝に起ったエピソードを落語に変えた。内容は、「住みます芸人」として伊勢に住んでいる弟子の桂三輝(さんしゃいん)さんらとその夜食事をし、23時ごろホテルに着いたが、大神様の前に来ていく羽織はかまが無いことに気づき、大阪までタクシーで取りに行くことに。伊勢を23時過ぎに出発し翌朝の5時30分ごろ到着するまでのエピソードを落語として奉納した。

 三枝さんは「お客さまに背を向けて落語をするのは初めてだったが、大神様と向き合いながら話をさせていただいた。僕には大神様の笑い声がしっかりと聞こえた」と奉納落語の感想を披露。

 吉本興業(大阪府大阪市)の吉野伊佐男会長は「全国を1年半かけて実施する襲名披露公演は、創業100周年となる当社の大変重要な事業でもある。全社を挙げて臨む」と意欲を見せた。同神社の宇治土公貞尚宮司は、「『猿田彦大神』、芸能の神様『天鈿女命(アメノウズメノミコト)』に爽やかな笑いを奉納していただいた。素晴らしい笑いのお供え。襲名披露公演が盛大に行われ、日本中が幸せに、元気になるようにお祈りした」と話す。

 「まだ現実として継ぐのかな?僕で良かったんだろうか?という気持ち。三枝の名前と別れるのは寂しいが、神様の前に立ったときに現実だと感じた。精一杯頑張りたい」(三枝さん)と複雑な心境も。

 襲名披露公演は7月16日から全国で行われる。

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