伊勢神宮内宮の門前町一帯で江戸時代の街並みを再現した「おかげ横丁」(伊勢市宇治中之切町)で8月18日・19日、「第1回おかげ横丁かみしばい大会」が開催され、2日間で約5万人の観客がプロの紙芝居に耳を傾けた(主催者発表)。
同大会は、全国のプロの紙芝居師9人によるオリジナリティーあふれる紙芝居を、同横丁内の3会場を舞台に2日間いつでも自由に見てもらえるようにと「紙芝居ざんまい」にしたイベントで、今年第1回目が実施された。紙芝居の正面には子どもたちが陣取っていた。子どもたちは、小さい体で目線が紙芝居の高さよりも上にあるため首を上げながら熱心に聞き入っていた。
同横丁を運営する伊勢福(同)の服部鎮夫さんは「同大会は、昔の日本の子どもたちにとっての娯楽の一つでもあった紙芝居を通して、話し手が相手(客)に伝える。聞き手は真剣に聞くという、面と向かって伝えることの大切さを感じとっていただき、レトロというだけでなく、今のデジタル時代にあえてアナログな紙芝居のおもしろさを知ってもらえれば」と開催の趣旨を説明する。
紙芝居の内容は、昔ながらのヒーロー「黄金バット」や創作ものなどさまざま。山口県から参加した長谷川忠さんは鳥インフルエンザの発生で殺処分しなければならなかったハクチョウの物語など地元山口で実際にあった話を紙芝居にして披露した。
同横丁では3年前から紙芝居を無料で上演し、人気を集めている。服部さんは「来年以降も継続していければ」と話す。