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志摩・かつお節メーカーの新商品「だし押味」、出し惜しみしていないのに販売できず

志摩・かつお節メーカーの新商品「だし押味」、出し惜しみしているわけではないのに販売できず(写真は志摩市商工会主催の「おらげのええもん研究会」出展の時の様子)

志摩・かつお節メーカーの新商品「だし押味」、出し惜しみしているわけではないのに販売できず(写真は志摩市商工会主催の「おらげのええもん研究会」出展の時の様子)

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 昔ながらの製法でかつお節を製造し販売する「まるてん」(志摩市大王町)の新商品「食べるかつお節『だし押味(だしおしみ)』」が、「出し惜しみ」していないのに商品がなく、同社社長の天白幸明さんが困っている。

食べるかつお節「だし押味」が、出し惜しみ過ぎて販売機会を喪失!?

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 1822年、全国のかつお節産地122カ所から江戸に集まってきたかつお節を大相撲の番付表に見立てた「諸国鰹節番附表」に行司役として「志摩 波切節」の名がひときわ大きく記されている。大王崎灯台のある太平洋に面する波切(なきり)地区で作るかつお節が、江戸時代後期に江戸のまちで「波切節」としてのブランドを確立していたとされる資料だ。

 カツオをいぶすためのいぶし小屋を1946(昭和21)年に建て、かつお節の製造・販売をメーンとする同社。同社のかつお節は、江戸中期から伝わる「手火山(てびやま)」と呼ばれる製法で、5~6段に重ねたせいろにカツオを並べ、ウバメガシのまきを燃やしたじか火で約1カ月間、水分が20~18%になるまで何度も繰り返しいぶし、その後3~4カ月掛けカビ付けを行い、さらに水分を1%程度落としてうま味と香りを付ける。

 「出し惜しみ」していないのに供給が追いついていない新商品は、その製法で作ったかつお節を食べられるように粉末にしたもので、カツオだし(出汁)のだしに掛け、だしが押し出るようなイメージの味と、出し惜しみしたくなるくらいおいしい味という思いを込め「だし押味」とネーミング。今年11月から販売するが販売直後、手軽に振り掛けるだけでおいしくなると口コミで広がり、かばんに携帯する人などからの注文が増え商品の供給が追いつかなくなって、いまだにネットショップの商品ページもアップできないまま販売できずにいる。

 天白さんは「『だし押味』はもともと、病院の栄養士さんに『赤ちゃんでも食べられるかつお節ができないか?』と相談を受け開発した商品。現在は、ほかのかつお節関連商品のギフト需要と年末需要などに追われ、かつお節そのものの生産が間に合わない状態。年明けにはできるだけ早く商品を供給できるようにしたい。出し惜しみしているわけではないのだが…(笑)」と事情を説明する。

 「だし押味」(50グラム)の価格は、パック入り=630円、竹容器入り=1,575円。

伊勢志摩経済新聞VOTE

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