鳥羽市議会は1月7日、全国の地方議会では初めて「LINE(ライン)」の公式アカウントを取得し、議会情報などを発信するツールとして試験運用を始めた。同18日には、第1回目の公式メールを絵文字を使って「ややユルめ」に、「友だち」登録した人たちに配信した。
LINEは、NHN Japan(東京都渋谷区)が提供するスマートフォン(スマホ)向けに開発されたアプリの1つで、ダウンロードしアカウントを取得するとアプリ間での無料通話や簡易メールが利用できるサービスだ。スマホの普及とともに大学生や中高生など若年層を中心に利用者が拡大し人気を集めている。同18日には、2011年6月のサービス開始から約1年7カ月というハイスピードで、世界230カ国に広がるユーザー数が1億人を突破した。
鳥羽市議会はこれまで、2010年2月に地方議会で初めてツイッターを導入、同年9月には本会議、常任委員会、全員協議会などほぼ全ての会議をユーストリームによるライブ中継を開始した。さらに議会フロアを無線LAN化し昨年9月の定例議会から議員が本会議にiPadなどタブレット型多機能携帯端末を持ち込めるようにした。その結果、「議会のIT化先進地」として全国から視察団が訪れるようになり2010年度には14議会87人、2011年度には39議会271人が同市を訪問。2012年度は、予約も含め70議会以上500人以上が視察に訪れる予定だ。視察団の急増に対して昨年夏から、同市に1泊以上しないと視察を受けないように条件を付け、市の経済活性化・PR活動にも貢献する。
同市議会の公式アカウントは「@tobacitycouncil」。同社が昨年12月からサービスを開始したビジネスアカウント「LINE@(ラインアット)」のパブリックアカウントを活用した。LINE内の「公式アカウント」ページに掲載されないなど制約はあるが、地方自治体など公共団体は無料で利用することができる。
LINE導入のねらいを議会事務局の北村純一係長は「LINE利用の多い若年層に対して鳥羽市の議会情報などを絵文字を活用し、わかりやすく『ユルめ』に情報発信していきたい。鳥羽市を離れ生活する若者たちに登録してもらい、情報をプッシュできれば」と話す。
初回のメールは「今日のCBCテレビ5チャンネル『イッポウ』で『議会もつぶやき全国注視のIT市議会』という内容で鳥羽市議会の取り組みが放送されます(///▽///)。おそらく18時15分頃からですので、ぜひご覧ください☆~」と、絵文字を使ったややユルめの内容だった。
北村さんは「LINEによるプッシュ型の情報発信がどれだけの効果があるかまだまだわからないが、まずはトライして様子を探りたい。ぜひ登録していただければ」とPRする。「若者に語りかけるように、できるだけユルく。どこまでくだけることができるかが一番の問題かも(笑)」とも。
登録は、ダウンロードしたアプリのID検索で公式アカウント「@tobacitycouncil」を直接入力する必要がある。