3月5日、春になり土の中にこもっていた虫たちが動き出すという二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」になっても、鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽、TEL 0599-25-2555)で飼育展示中の謎の深海生物「ダイオウグソクムシ」は、かたくなに水槽の中でこもったまま絶食を続けている。
謎の深海生物「ダイオウグソクムシ」絶食1523日、啓蟄でも食べず
1523日間の絶食記録を更新したのは、2007年9月9日入館の「No.1」。前回食べたのははるか昔、4年2カ月前の2009年1月2日だ。飼育研究部の森滝丈也さんは「もういいかげんにしてほしい。早く食べて安心させて~」と困惑。
この日は、初めて餌をマイワシ、ニギス、メヒカリに変えた。森滝さんは「臭いの強いものを与えると反応がいいというのでマイワシを、同じ深海に住むタカアシガニがよく食べるというのでニギス、メヒカリを与えてみたが、今回も見向きもしなかった」と悔しがる。
森滝さんは「今日は暦の上で啓蟄なので、動き出してくれるかと期待したが、やはりだめでした(苦笑)。前回の餌やりではあごを動かしていたのに、今回はあごを動かしていなかった。元気なんだけど、左前足も動かなくなっている」と心配も募る。
今後同館は、これまでの1カ月に1度の定期的な餌やりを、「今日は食べてくれるかも!」と森滝さんが判断したときその都度あげるように餌やりのルールを変更する。