陸自明野駐屯地・ヘリの「航空祭」-雨天のため新生「明野レインボー」幻に

陸自明野駐屯地・ヘリの「航空祭」-雨天のため新生「明野レインボー」幻に(写真は航空機支援車両を紹介するデモンストレーションの一幕)

陸自明野駐屯地・ヘリの「航空祭」-雨天のため新生「明野レインボー」幻に(写真は航空機支援車両を紹介するデモンストレーションの一幕)

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 陸上自衛隊明野駐屯地・航空学校(伊勢市小俣町)で10月20日、駐屯地開設58周年・航空学校創立61周年を記念した「航空祭」が雨の中開催された。

明野駐屯地・航空学校「航空祭」航空機支援車両を紹介するデモンストレーション

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 陸上自衛隊が装備する主要ヘリコプターのほとんどが展示される同祭は、「ヘリコプターの祭典」とも呼ばれ、毎年多くのヘリコプターファンを集めているが、この日の伊勢地方は大雨警報が発令されるほどの悪天候で、予定していたヘリコプター24機による祝賀編隊飛行や同校操縦教官による幻のチーム「明野レインボー」によるアクロバティックな飛行展示は中止となった。

 代わりに、これまで余り脚光を浴びなかったヘリコプターの運航を支える航空機支援車両(ヘリコプターを牽引する牽引車、航空電源車、燃料タンク車、救難消防車)を紹介するデモンストレーションが行われた。輸送ヘリコプターCH-47JA(チヌーク)への体験試乗は実施され、先着配布の1000人分の試乗チケットはあっという間になくなった。

 オープニングセレモニーで航空学校長兼明野駐屯地司令・陸将補の大西裕文さんは「航空祭に雨が降ってしまったことは残念だが今日のような雨の日でもわれわれは、災害が発生すれば対応しなければならない。24時間365日、即応体制に備えるために、日頃から訓練を行っている。そんな隊員たちの姿を見ていってほしい」とあいさつ。

 この日に行われる予定だった明野レインボーの編成は、これまで明野レインボーの歴史を作ってきた観測ヘリコプターOH-6D(オスカー)から、新しく導入された練習用ヘリコプターTH-480B(エンストロム)に全て代わること、多用途ヘリコプターUH-60JA(ブラックホーク)が初めて加わることが注目すべき点だったが、まさに全てが幻となってしまった(予定していた編成は、TH-480B=5機、OH-1=2機、AH-1S=1機、AH-64D=1機、UH-60JA=1機)。

 純国産の観測ヘリコプターOH-1(ニンジャ)の開発メンバーの一人でOH-1を操縦するはずだった明野レインボーリーダーの井上忠明さんは「私は、退役まであと45日なので正直なところ最後に明野レインボーのフライトを成功させたかったが、自然には勝てない。今日は飛べなかったが、一昨日われわれの最後の練習を見た駐屯地司令から『完成したね』と言っていただけたことがとてもうれしく、その言葉で達成感を得ることができた」とコメントを残す。

 新生「明野レインボー」の初舞台は、来年の同祭まで延期されることになった。

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