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PTA会長になると5千円支給、地域とのつながり重視-多気町の万協製薬

PTA会長になると5千円支給、地域とのつながり重視-多気町の万協製薬

PTA会長になると5千円支給、地域とのつながり重視-多気町の万協製薬

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 スキンケア製品の企画、開発、製造などを手掛ける製薬会社・万協製薬(多気郡多気町)は会社で培ったさまざまなノウハウを地域社会で積極的に役立てようと本年度から、社員が地域社会で活動する組織の長(代表)になった場合5,000円の手当てを支給する。

万協製薬が三重県版環境マネジメントシステムM-EMS「ステップ2SR」認証第1号に

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 同社は4月1日、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の「三重県版」に当たるM-EMS(ミームス)のオプション規格「ステップ2SR」の第1号認証を受けた。同9日、一般社団法人M-EMS認証機構(津市)の田中正一代表理事から同社の松浦信男社長へ登録証が授与された。

 松浦社長は、同登録証授与式の席の場でPTA会長や消防団長など地域社会で活動する組織の長(代表)に社員がなった場合、5,000円の手当てを支給すると発表した。

 M-EMSは、大規模事業者中心に進められているISO14001の認証は経費や労力の負担が大きく中小企業には不向きであることから、三重県独自の環境マネジメントシステムとして構築された認証規格。県内事業者が環境負荷低減への取り組みを促進できるように、費用負担を抑えるなどした。初級「ステップ1(S1)」、中級「ステップ2(S2)」を設定し、ISO14001とほぼ同じ項目を実行するS2に、さらに2つのオプション規格ISO26000(社会的責任に関する手引き)の要素を導入した「ステップ2SR」とISO50001(エネルギーマネジメントシステム)の取り組みを導入した「ステップ2En」を設定。4月1日現在の累積登録件数は298件(S1=182件、S2=116件)。

 松浦社長は「このような第三者の目が入るアセスメントは、企業にとって非常に重要で従業員の意識を変える。社会に悪い影響を与えているということを数値的に表すことは難しいが、M-EMSの考え方はそれを数値で表し指標とすることができる」と話す。

 「M-EMSにCSR(企業の社会的責任)の視点を重視した『ステップ2SR』が付いたことで、企業活動の先に地域社会とのつながりを意識するようになる。これまでは企業は地域社会の主役ではなかったように思うが、これからは企業が地域に根差す役割を見い出し活動する時代に来た。社員には万協製薬で学んだアセスメントの仕組みを地域で活用しろと言っている。5,000円の手当て支給は地域社会とのつながりの証しのようなもの」(松浦社長)と力説する。

 田中代表理事は「M-EMSは企業を表彰するというものではなく、自主的に活動していただくことを前提に、自分たちが取り組んでいる活動を自ら発掘・浮き彫りにすることが狙い」と説明。

 同社の「ステップ2SR」第1号認証は、社員による佐奈川や熊野古道などの定期的な清掃活動や佐奈小学校5年生を対象に実施する環境教育学習、相可高校生産経済科の生徒との地域貢献製品(スキンケア製品)の共同開発、ソーラーシステムの導入などの取り組みが評価された。

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