地元伊勢出身のジャズベーシスト、古野光昭さんのコンサート「古野光昭お伊勢さんJAZZ CONCERT」が6月17日、伊勢市観光文化会館で開催された。ゲストにジャズピアニストの小曽根真さん、ジャズドラマーの大坂昌彦さんが参加。満席の会場(収容1,200人)は日本を代表する3人のジャズマンの演奏に酔いしれた。
コンサートを企画・開催したのは同コンサート実行委員会(実行委員長=中西正治さん)。古野さんの出身校(宇治山田高校)時代の友人が中心となり30人で組織された実行委員会は、今年1月から企画会議を重ね、コンサートを成功に導いた。委員会メンバーは、1999年に古野さんの「30周年記念コンサート」を伊勢で開催した時のメンバーが中心となっており、その後も2002年に「フルノーツ結成記念コンサート」、2003年に同校の先輩の映画監督小津安二郎氏の生誕100年記念事業としてコンサート「OJAZZ」を開催している。
古野さんは1947年1月1日伊勢市豊浜町生まれ。現在は阿川泰子グループ、木住野佳子トリオで活動、自己を中心とするトリオほか、数多くのセッションに参加している。昨年11月にセカンドアルバム「iSE 伊勢」を発売。アルバムには「OJAZZ」で初披露した小津先輩を偲び、故郷「伊勢」を思い、書き下ろした曲「故郷へのオマージュ Homage To Furusato」も収録され、今回のコンサートのメーン曲としても演奏された。
小曽根さんはジャズ雑誌「スイングジャーナル」の人気投票で第57回JAZZMAN OF THE YEARにも選ばれるなど実力、人気ともにナンバーワンのピアニスト。2003年には第45回グラミー賞にノミネートされるなど世界からも注目を集めている。大坂さんはフルノーツのメンバーでもあり、伊勢での演奏は今回で4回目。同誌の人気投票でも毎年ドラムス部門第1位の実力者。
演奏は17時に始まり「BE MY LOVE」「ノルウェーの森」などアルバム「iSE伊勢」に収録されている曲のほか、小曽根さんのピアノソロもあり、会場は盛り上がりを見せた。
今回のコンサートのメーン曲である「故郷へのオマージュ」演奏前に小曽根さんがステージで「コンサート前日に外宮内宮と伊勢神宮を正式参拝し、その日の夕方、夕焼けがオレンジ色に輝いて感動的な景色を体感していた時、『故郷へのオマージュ』の曲が自然に体の中で流れた。古野さんはこういうイメージを伊勢に思い託して曲を書いたんだろうなと思った」と話すと、古野さんが「まさにその思いです」と語る場面も。演奏終了後も観客は席を立とうとせず、アンコールの声が延々続いた。アンコール曲には「リベルタンゴ」「misty」が演奏された。
実行委員長の中西さんは「今日の演奏は日本ジャズ史に残る名演奏になったと思う。遠路遥々東京や北海道から足を運んでくれた人にも満足のいく1日になったのでは」と、コンサートの成功に満足していた。
Locally born Jazz Musician Plays Concert in Ise
Well-known Jazz bass player Mitsuaki Furuno held a concert at Ise Kanko Bunka Kaikan on June 17th. Jazz pianist, Makoto Kosone and Jazz drummer, Masahiko Ohsaka, accompanied Furuno for the concert. During the concert, the musicians mainly played music from Furuno’s latest album, "iSE". The concert, which was organized by Furuno's high school classmate, was sold out and received rave reviews.(英訳:ホワイト・パイン・イングリッシュ・スクール)