2014年6月16日正午12時は、皇紀2674(平成26)年旧暦の5月19日12時で、午(うま)年午月午日午刻。ちょうどその時間に「月次祭(つきなみさい)」が行われていた伊勢神宮外宮(げくう)上空で、太陽の周りに虹の輪ができたように見える自然現象「暈(かさ、ハロ)」が観測された。
昨年の12月の月次祭で、夜の伊勢神宮外宮の森上空に「月の輪」
十二支(じゅうにし)の一つ「午」には、昼の12時(およびその前後2時間)や方位の南を意味し、午の刻を起点にしてできた時を表す言葉「午前」「正午」「午後」、北極点と南極点を結ぶ「子午線」は南の方位を示す「午」と北の方位を示す「子」に由来する。
毎年6月と12月の月次祭と10月の「神嘗祭(かんなめさい)」を合わせて「三節祭(さんせつさい)」と呼び、伊勢神宮の最も重要な祭りとされている。月次祭は同15日~25日、伊勢神宮125社全てで執り行われ、外宮では15日の22時と16日の2時の2回、アワビやタイなど豪華な食事を奉納する「由貴大御饌(ゆきのおおみけ)」、16日12時に皇室より送られた布などを奉納する「奉幣(ほうへい)の儀」が執り行われた。
暈とは太陽や月を薄い雲が覆った際に、周囲に虹のような光の輪が現れる自然現象のことで太陽に現れたものを日暈(ひがさ、にちうん)、月に現れたものを月暈(つきがさ、げつうん)と呼ぶ。昨年12月15日22時から行われた外宮月次祭由貴大御饌の祭典中には月の周りに虹色の輪が発生する「月光冠(または月光環)」が出現した。
撮影は、昨年伊勢神宮に関する2冊の写真集「伊勢神宮 こころを照らす神々の都」(書肆侃侃房)、「伊勢神宮 式年遷宮のすべて 常若の祈り」(JTBパブリッシング)を出した、今もなお伊勢神宮を撮り続けるカメラマンKanKan(カンカン)さん。「午年午月午日午刻と午が4つも重なる時間に伊勢神宮で月次祭が行われて、空にはハロが出て…。伊勢神宮で撮影していると必ず何かが起こる」と話す。