二見興玉神社(伊勢市二見町)のシンボル「夫婦岩(めおといわ)」の上空に10月8日、「赤い満月」が雲をかき分け現れた。
「赤い満月」となる皆既月食を撮影しようと夫婦岩が望める海辺の堤防には多くのカメラマンが三脚を立て空を見上げていた。この日は、日本全国で3年ぶりの天体ショーとなった。
夫婦岩には5本の大しめ縄が掛けられ、その形が鳥居の役目を果たしているという。春から夏には太陽神となる朝日が、秋から冬には満月が、この大しめ縄の間から上がる。空気が澄んだ気象条件のいい日には、その直線上の約200キロ離れた位置に霊峰富士も姿を出す。大しめ縄の1本の長さは約35メートル、直径約10センチ、重さ約40キロ。
同5日~6日に掛け日本列島を襲った台風18号の影響で夫婦岩の5本の大しめ縄が全て切れ、7日に新しく2本を張った。切れた大しめ縄は9月5日の張り替え神事で新しくなったばかりだった。
この日の夫婦岩の上空は、雲が多く、月は雲の合間から出たり入ったりを繰り返していた。19時30分ごろ、赤く染まった満月が一瞬現れると、一斉にシャッター音がなった。