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「ひとりエグザイル」で経済産業大臣賞-鳥羽商船高専生がカラオケ演出システム開発

「ひとりエグザイル」で経済産業大臣賞-鳥羽商船高専生がカラオケ演出システム開発

「ひとりエグザイル」で経済産業大臣賞-鳥羽商船高専生がカラオケ演出システム開発

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 鳥羽商船高等専門学校(鳥羽市池上町)の高専生が開発した「ひとりエグザイル」機能などを盛り込んだカラオケ演出システム「P.M.カラオケ(Projection Mapping Karaoke)」が「U22プログラミング・コンテスト」で経済産業大臣賞を受賞した。

「ひとりエグザイル」で機能説明をする鳥羽商船高等専門学校の松本知佳さん

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 同システムは、カラオケボックスなどを想定した部屋の2面の壁を利用し、正面にはスポットライトや背景、側面には歌詞などを、コンピューターで別々に処理した映像をプロジェクターで投影するプロジェクションマッピングを使い、ライブ会場のような雰囲気を演出することができる。歌手の動きを認識し常に歌手にスポットライトが当たるようにしたり、歌手の分身を投影したりすることが可能。

 システムを開発したMOOMANチームのメンバーは、鳥羽市出身の生産システム工学専攻2年の松本知佳さん、志摩市出身の制御情報工学科5年の坂下雄摩さんと兵庫県西宮市出身の同5年藤田梓さん。3人は今年3月から開発を始め7月に完成させた。

 システムには、パソコンとプロジェクターと「Xbox 360」などにも搭載されているマイクロソフト社製の動作・距離・音声認識センサー「Kinect(キネクト)」を既存のカラオケに接続するだけ。別々の2面に映る映像をゆがみなく修正する(キャリブレーション)のプログラムも全て自分たちで作ったという。「ひとりエグザイル」はグルグルと回って踊る人の映像をパソコンで処理し、その映像を時間差で投影させることで、日本のダンス・ボーカルユニット「EXILE(エグザイル)」の踊りのような演出を可能にする。

 同科の江崎修央(のぶお)准教授は「すぐにでも既存のカラオケボックスに設置することができる完成度の高さが評価されたのでは」と分析する。松本さんは「これまでのカラオケに革命を起こしたい。全国のカラオケボックスに導入され、そして世界でも利用され、よりカラオケを楽しんでもらえるようになれば」、坂下さんは「自分がやっていることが世間でどこまで通用するのか?(評価基準がない)田舎なので分からなかったが今回の受賞で自信になった」、藤田さんは「スポットライトを浴びて歌ってみたいと思ったのが開発のきっかけ。受賞できてとてもうれしい」とコメントを残す。

 今後、プログラムのバグの修正や新機能などを充実させより完成度を高めていくという。

 34年の歴史を持つ経済産業省主催の同コンテストは、昨年度まで20歳以下の学生が参加する「U-20」として行ってきたが、本年度から対象年齢を22歳以下にまで拡大。全国から221チームが参加し、その中から20チームが選抜され10月6日、東京・秋葉原で各チームがプレゼンテーション・デモンストレーションを行い最終審査が行われた。運営事務局はコンピュータソフトウェア協会(CSAJ)。

 経済産業大臣賞受賞者(チーム)は以下の通り。大阪大学基礎工学部基礎工学部システム科学科2年の西田直樹さん「Rubyでインタラクティブなグラフを作成できる『Nyaplot v0.1.1』」、早稲田大学基幹理工学部情報理工学科3年の馬屋原昂さん「並列処理を記述できる言語『Copal』」、聖学院中学校3年大谷孟宏さん「画像を暗号化する『Image Encrypter』」と同チームの4作品。

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