主要国首脳会議が来年5月26日・27日に開催されることが決定している志摩市の生涯学習センター(磯部町)で9月5日、サミットについて県民の理解を深めるため第1回「伊勢志摩サミットフォーラム」を開催した。主催は、伊勢志摩サミット三重県民会議(津市栄町、伊勢志摩サミット推進局内)。
同会議の会長を務める鈴木英敬三重県知事は「不安を安心に変え、より期待感を持ってより多くの県民が参加できるように取り組んでいきたい。三重県にとっても千載一遇のチャンス。飛躍の舞台に上がってそのチャンスをつかんでいきたい」と挨拶。安倍安倍晋三内閣総理大臣のビデオメッセージも流れた。
1部では、外務省大臣官房伊勢志摩サミット準備事務局長の滝崎成樹さんによる基調講演があり、これまでのサミットについてなどを説明。「伊勢志摩サミットを成功させるには、首脳たちがリラックスしていい議論ができるように環境を整えること。世界中から約5000人のメディアが集結するこの機会に日本の魅力を発信したい」と政府の見解を伝えた。また「来週には国際メディアセンターについての決定事項を公表する」と明言した。
2部のトークセッションでは、北海道副知事で洞爺湖サミットの時にはサミット推進局長を務めた山谷吉宏さん、2012年にアメリカ・キャンプデービッドで開催されたサミットに記者として参加したフィナンシャル・タイムズ東京支局長のロビン・ハーディングさん、エコツアー企画会社「海島遊民くらぶ」代表や鳥羽市の旅館「海月」のおかみを務める江崎貴久さんと鈴木知事の4人が、過去のサミット開催地から学ぶ、伊勢志摩の魅力と発信、県民総参加への取り込みの3つのテーマで話し合った。
山谷さんは、北海道では2カ月でサミット関係者の宿泊は約50万泊になったこと、プレスセンターを2週間前から開設し警備を含む関係者に1日2万4000食の弁当を1カ月届けたことなど、電気を消してろうそくの火の光だけで過ごす「ガイアナイト」など今でも道民運動として継続されている事業があることなど具体的な話があった。ハーディングさんは、サミットにどういうメッセージを込めるかが大切とアドバイス。江崎さんは、地元の人はついつい伊勢志摩をアピールすることだけを考えがちになるが、日本を背負わなければならないことを自覚しなければならないと話した。
鈴木知事は、「誘致したい思った理由の一つは、伊勢神宮式年遷宮を経験・体感しみんなが一丸となってやることでパワーアップしてひとつになることが大切。182万人の三重県民揚げて前に進んでいきたい。伊勢志摩でやってよかったと言えるサミットにしていきたい」と協力を呼びかけた。