今年の五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭典「祈年祭(きねんさい)」が2月17日、伊勢神宮の外宮(げくう)と内宮(ないくう)で執り行われた。
農作物が豊作になりますように、人々が飢えることなく平和で過ごせるようにと祈る同祭の別名は「としごいのまつり」。伊勢神宮では、10月の神嘗祭(かんなめさい)、6月・12月の月次祭(つきなみさい)を「三節祭」、それに2月の祈年祭と「勤労感謝の日」に当たる11月の新嘗祭(にいなめさい)を加え「五大祭」と呼ぶ。
神饌(しんせん)を奉納し五穀豊穣を祈願する「大御饌(みけ)の儀」と、皇室より送られた「幣帛(へいはく)」を奉納する「奉幣(ほうへい)の儀」が、早朝の4時と7時からの外宮と、11時と14時からの内宮でそれぞれ執り行われた。同祭は、皇居と全国の各神社でも執り行われる。
朝7時の「奉幣の儀」を奉仕する平安の装束を着た池田厚子神宮祭主をはじめ神職らの参進は、参拝者も少ない静かな外宮をゆっくりと進み正宮の中へ。神域を静かに風が吹き、しばらくすると雅楽の調べがかすかに響き、祈りの時が流れた。
同祭は、23日まで伊勢神宮125社で行われる。