地元高校生らが若い力で地域を元気にしようと取り組み、「里山資本主義」などの著書を持つ藻谷浩介さんがアドバイザーになって進めてきた「次世代協働プロジェクト『MOTANI屋』」が2月26日、最終報告会を志摩市商工会(志摩市阿児町)で行った。
MOTANI屋に参加したのは、志摩高校(磯部町)の西飯真侑さん、中村彩音さん、三橋桃佳さんと皇学館大学教育学部(伊勢市神田久志本町)の原条泰輝さんの4人。4人は5月から2月までの期間で市内を歩いて人の声を聞きながらリサーチ。最終的に「田舎あられ」に注目していった。
藻谷さんは、日本総合研究所(東京都品川区)調査部主席研究員で地域エコノミスト。藻谷さんは「当たり前であることを疑い、その当たり前を有り難いと思って掘り下げてみると新たな視点が生まれる。最初、『えっ、田舎あられ?』と思ったかもしれないが、水田が少ない漁業中心のまちにも稲作(餅米)文化があった。そのことを深く考えていけば食文化の豊かな国であることを伝えることにもなる」と話す。
4人は、「田舎あられ」に注目するといろいろな食べ方を研究。塩や砂糖を振りかけたり、お茶漬けにしたり、黒砂糖を絡ませたり、昔からある食べ方を客観的に調べるのと同時に新しい食べ方にも挑戦した。賢島で観光客らに試食してもらい市場調査も行った。
最終的に、志摩地方におけるあられ百景、食べ方を紹介する冊子「志摩乃あられ読本」を作成した。4人は「とてもいい経験になった」「志摩の良さを再発見できた」「もっと志摩のことを教えられるように学びたい」などの感想が寄せられた。藻谷さんは「子どもの可能性を信じて動く方がいい」と締めくくた。