伊勢に春と威勢を運んでくると言われる恒例の「神宮奉納大相撲」が4月3日、神宮会館(伊勢市宇治中之切町)内にある神宮相撲場で行われた。主催は伊勢神宮崇敬会(同、会長=豊田章一郎さん)。
五十鈴川に掛かる宇治橋が11時、神宮の警備を担当する衛士らによって約10分間封鎖されると、神職に先導された横綱白鵬や日馬富士、鶴竜らが、誰もいない宇治橋を渡った。
神宮神苑(しんえん)では、琴奨菊、稀勢の里、豪栄道、嘉風、豊ノ島、栃煌山、宝富士による「そろい踏み」、日馬富士(太刀持ち=宝富士、露払い=大栄翔)、白鵬(太刀持ち=魁聖、露払い=大翔丸)が不知火(しらぬい)型、鶴竜(太刀持ち=勢、露払い=正代)が雲竜型の「手数(でず)入り」(土俵入り)の奉納を行った。約6500人の相撲ファン、参拝者らが力士たちの姿に釘付けになった。
同相撲場では、7時から稽古相撲や、十両、幕下、三段目などの力士による取組が行われた。幕内、横綱の土俵入りが始まると大きな声援が重なり、取組が始まると約2500人の相撲ファンらが力士たちに声援を送った。幕内力士によるトーナメント選士権では、稀勢の里が琴奨菊を上手投げで優勝した。