志摩の海を中心に「海」での生活や文化について展示、情報発信している「海の博物館」(鳥羽市浦村町大吉、TEL 0599-32-6006)で9月29日より、グラフィックデザイナーの石田隆さんのイラスト原画展「石田隆 海人を描く」が開催される。
同館は1971年に開館し今年で36年目。海とともに生活する人間と海との関わりについて、さまざまな視点より調査・研究・展示・社会教育活動を行っている。1992年に鳥羽市街から現在地の自然豊かな浦村町に新築移転。内藤廣建築設計事務所(東京都千代田区)が設計を担当した建物は、日本文化デザイン賞、日本建築学会賞、芸術選奨励賞、公共建築百選、吉田五十八賞を受賞するなど現在でも建築関係者に注目されている。
石田さんは1941年愛知県犬山市城下町生まれ。1962年日宣美展奨励賞を受賞し会員となり、ポスター、シンボルマーク、キャラクター、マスコットやCIなど幅広く仕事に携わり、イラストレーターやグラフィックデザイナーとして活躍。現在、東邦学園短期大学名誉教授、石田隆デザイン室を主宰。最近では三重県の「三重ブランド」のシンボルマークのデザインを手がけたことでも知られる。石田さんと同館との関係は、30年前に同館のパンフレットを作成してからの付き合い。それ以来ずっと同館のパンフレット、看板、ポスターなどを作成している。
今回の特別展は、同館の映像展示物用に作成した「九鬼嘉隆の一生」「海幸彦山幸彦」「浦島太郎(女浦島、浦島子、洞庭湖の浦島の3本)」などに使用したアニメーション原画と、過去に同館の印刷物・発行物などで使用したイラストの原本を展示している。
石田さんは「海の博物館は常にグローバルな視点で事業を展開しているので、いつもやりがいを持って臨める。『九鬼嘉隆の一生』のアニメーション原画の作成も素晴らしいシナリオに、やりがいを持って仕事をさせてもらった」と話している。
入館料は、大人=800円、高・中・小学生=400円。開館時間は9時~17時(12月1日~3月20日は9時~16時30分)。12月10日まで。