伊勢市と三重県と日本航空(東京都品川区、以下JAL)は1月9日、パートナーとの絆を深める旅の一つとして新しい観光プログラム「常若婚(とこわかこん)」を企画、今後連携し事業を推進することを約束する協定書の締結を「旅荘 海の蝶」(伊勢市二見町)で行った。
「常若」とは、20年に一度社殿などを新しくする「式年遷宮」のように、繰り返し再生する、造りかえることでいつまでも変わらない姿で、常に若く瑞々(みずみず)しいままの、永遠に、という意味を持ち、常に感謝の心を持ち、思いやりを大切にするという伊勢神宮に伝わる精神。
この日は、三重県知事の鈴木英敬さんと伊勢市長の鈴木健一さんとJAL会長の大西賢(まさる)さんが協定書にサインした。
大西さんは、「伊勢市と三重県との地元の人とともに考え作り上げたのが『常若婚』。常若の精神の宿る伊勢の地で、寄り添う人と人が向き合い、感謝の気持を感じ、新たな気持ちを育む旅として、人生の節目にパートナーとともに体験いただきたい旅。伊勢の地を訪れ、いつまでも変わらない相手への思いを感じ、絆が永遠であるよう新たに誓い合い、常に鮮度ある夫婦の絆を育むプログラムとして提供していきたい」と説明する。
JALは、地域活性化プロジェクト「JAL 新・JAPAN PROJECT」の一環として、2015年12月に三重県と食と観光に関する協定を締結、機内食や機内で流れるビデオなどで「三重県」「伊勢志摩サミット」をPRし盛り上げてきた経緯を持つ。
大西さんは「昨年春に鈴木知事との対談の中で『常若婚』のヒントをいただいた。それまで常若という精神のことを知らなかったが、とても素晴らしくその精神をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、何か新たなイベント、プログラムが発掘できればと思っていた。構想を天武天皇、実行を持統天皇と、夫婦で式年遷宮を成し遂げたということも同時に教えていただいた。常若の思想こそ伊勢市、三重県ならではの価値ある旅の要素であると、良きパートナーとの新しい旅の形と認識した」と話す。
「せんぐう館」(豊川町)で「常若の精神」を学び、伊勢の宿泊施設で三重の旬の食を食べ、「二見興玉神社」(二見町)、「伊勢神宮」(宇治館町)、「猿田彦神社」(宇治浦田)を参拝するなどの旅行プランを今年4月から提供する予定。「具体的なプランについては近日中に発表する」とJAL中部地区広報担当者。伊勢市は「常若婚」の商標登録を申請している。
大西さんは「今後、機内誌や広告などで『常若婚』を広く知ってもらえるように進めていきたい。鈴木英敬三重県知事からは英国ウイリアム王子とキャサリン妃を招待したいと高いハードルをいただいたので、実現できるように頑張りたい」とも。