鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の水槽に突如、謎の「クマ」が現れた。
クマは、同館のアメリカカブトガニの水槽の底に現れ、微笑んでいるような優しい目と鼻と口、耳の形もなんとなく認識することできる。
クマの正体は、カブトガニが砂の中に潜った時にできる模様。同館の広報担当の榊原麻友さんは「当館のカブトガニは、あまり砂には潜らないがまれに潜った場合は、全身砂を被ってどこにいるか全く見えなくなってしまう。クマの顔はカブトガニが前進して砂の中に姿を消した時に現れる」と説明する。
「絶食ダイオウグソクムシ」で困惑して注目を集めた飼育研究部の森滝丈也さんは「カブトガニの体は、前体部、後体部、尾剣(びけん)部の3部に分かれている。目は後体部にあるエラで呼吸した時の水流が前体部と後体部の隙間から出るのか?鼻は後体部の高く盛り上がっている部分、口は尾腱の付け根のところに当たると思われる。おそらく、砂の質がサラサラであることもクマの顔に見える条件の一つかもしれない。なぜこのような形になるのか検証していないので、正直なところわからない」と首を傾げる。
森滝さんは「僕もこれまで3回しか見たことがない。偶然できる砂のアート。遭遇するとうれしくなる。クマの顔を見つけるとハッピーになれるかどうかはわからないが、少なくとも見るとハッピーな気持ちにはなる。ぜひ探していただければ」とも。
開館時間は9時~17時。入館料は、大人=2,500円、小人=1,250円、幼児(3歳以上)=630円。