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鳥羽水族館の「脱皮ダイオウグソクムシ」、息絶える

鳥羽水族館の「脱皮ダイオウグソクムシ」殻半分のまま息絶える、脱皮したばかりのNo.5(写真提供=鳥羽水族館)

鳥羽水族館の「脱皮ダイオウグソクムシ」殻半分のまま息絶える、脱皮したばかりのNo.5(写真提供=鳥羽水族館)

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 日本初の脱皮を行い、世界初かも?と話題を集めた鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の謎の深海生物「ダイオウグソクムシ」No.5が4月1日の朝、息絶えた。

【その他の画像】脱皮したばかりのダイオウグソクムシNo.5

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 2012年7月26日入館のNo.5は、メキシコ湾の水深約800メートルの海底で採集した雄。2月12日14時ごろ展示水槽の中で体の後半部の脱皮を行った。前半部の脱皮がいつになるか期待しながら見守っていたが、数日前から動きが鈍くなりこの日の朝、死んだ。その後解剖を行ったが直接の死因は不明。脱皮後の新しい殻も硬化が進んでいなかったという。飼育日数は1346日。

 同館飼育員の森滝丈也さん「飼育下でのダイオウグソクムシの脱皮は日本初だったので、残りの半分の脱皮にも期待をしていたが、残念ながらかなわなかった」と肩を落とす。「それでも殻を脱いでくれたこと。今回の脱皮で生殖器ができていたことなどは、とても貴重なデータとなったので感謝している。今後の調査研究に生かしていきたい」とも。

 ダイオウグソクムシは、ダンゴムシやフナムシの仲間で、等脚目の中で20~45センチの大きさになる世界最大種。メキシコ湾や西大西洋周辺の200~1000メートルの深さの海底に生息し、堆積するごみや落ちてくる魚の死骸などを食べ「海の掃除屋」と呼ばれているが、生態はよく分かっていない。7対の脚、尾部にとげを持ち、堅い甲は外敵から身を守るためのものであると推測される。エビやカニと同様の腹部にある腹肢を上下させ海中を遊泳する。節足動物門甲殻綱等脚目スナホリムシ科。

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