10月17日に執り行われる伊勢神宮に新米を捧げる最も重要な祭り「神嘗祭(かんなめさい)」を祝うための祭り「神嘗奉祝祭」が10月14日~17日、伊勢神宮内宮・外宮周辺で開催されている。
神嘗祭は伊勢神宮で執り行われる年間1,600余りのお祭りの中で最も重要とされる祭儀で「神嘗正月」とも呼ばれ、その年の新穀を初めて神に捧げる日として、約2,000年前から継続され「神宮の正月」として祭器具などもすべて新調する。この神嘗祭が20回を節目に執り行われ「大神嘗祭」と呼ばれ、神殿、鳥居、宇治橋、装束、神宝など一切を新しくする「式年遷宮」となる。
新穀の稔りに感謝する神嘗祭を奉祝しようと伊勢市民が神宮まで新穀を運ぶ「初穂曳」が執り行われ、15日には神宮に奉納する新穀を積んだ奉曳(ほうえい)車で外宮まで運ぶ「神嘗奉祝祭初穂曳・外宮領陸奉曳」が、16日には新穀を積んだソリで五十鈴川を上り内宮まで運ぶ「神嘗奉祝祭初穂曳・内宮領川奉曳」が行われた。15日には全国から募集した「一日神領民」も奉曳車を曳き、祭りの掛け声「エンヤ」が伊勢のまちに鳴り響いた。
また、日本中の祭りが伊勢に集結することから「祭のまつり」とし、徳島の阿波踊りや山形の花笠踊り、沖縄のエイサー、岐阜の郡上踊りなど全国から神嘗祭を奉祝するために神宮奉納に駆け付けた。そのほか、食と物産の「神嘗エンヤ市」なども大いに賑わった。
17日は伊勢神宮内、特別夜間参拝も可能。内宮神苑では浄闇の中、雅楽の音色が参道に響き、荘厳な雰囲気になるという。外宮は17時~、内宮は19時~。