広域通信制高校の「代々木高校」(志摩市阿児町神明、TEL 0599-43-6177)の生徒らが12月14日、「真珠」の浜揚げ作業を体験した。
授業は、同校の総合学習の一環で、地元真珠養殖業者の協力のもと、伊勢志摩地域の地場産業「真珠養殖」について学習するプログラム。真珠の元になる核をアコヤ貝に入れる「真珠の珠入れ」作業を今年の7月に生徒15人で実施。その後アコヤ貝をカゴに入れ英虞湾の海中につるし真珠養殖業者に育ててもらっていた。この日はそのアコヤ貝から真珠を取り出す「真珠の浜揚げ」作業を生徒7人が体験した。
本来は来年1月に実施する予定だったが、英虞湾の水温の低下を心配し、自然環境の変化から急きょこの日に作業をすることになった。協力した真珠養殖業の番条辰弥さんは「アコヤ貝にとって水温が10度を下回ると貝が衰弱し死んでしまい、きれいな真珠が取れなくなる。今の水温は13~15度だが、気象状況から推察すると、1月には水温が10度以下になる可能性が高いので時期を早めた」と話し、生徒は「真珠養殖が自然環境の敏感な変化にも左右されること」も同時に学んだ。
作業手順を習い、アコヤ貝をナイフで開き真珠を取り出すと、生徒らは初めての経験に感動し「むっちゃ楽しい」「神秘~」などと歓喜した様子。ピンクやブルー、キズがあったり、歪(いびつ)だったり、1粒数万円の価値だというきれいな真珠や、真っ黒で真珠とはいえないような「物体」など、取り出してみないとわからない面白さも体験した。
また「真珠の浜揚げ」から出る副産物の「アコヤ貝の貝柱」もその場で食べ、その味にも感動し2重の感動を体験した。「貝柱」はきれいに洗浄し、土産に持ち帰った。
協力した番条さんは「初めての経験でこれだけの成果はなかなかのもの。よく巻いている珠(真珠)もあるからすばらしいアクセサリーができるのでは」と賞賛した。取り出した真珠は自分たちでアクセサリーにして、3月の卒業式に着けて出席する計画。