陸上自衛隊明野駐屯地・航空学校(伊勢市小俣町)の駐屯地開設69周年・航空学校創立72周年を記念した「航空祭」が11月10日、同駐屯地で行われた。
【その他の画像】「国内最大のヘリコプターの祭典」伊勢・陸自明野駐屯地・航空学校航空祭
ヘリコプター6種(TH-480、OH-1、AH-1、UH-2、UH-1、UH -60)22機による祝賀編隊が、編隊群長を務める航空学校第2教育部長1等陸佐の大島政之さんの指揮により離陸すると松阪方面を目指して飛行。その後、ターンして大勢の観衆が見守る駐屯地滑走路の目の前を時速約100キロ、高度約100メートルで通過した。
メインイベントとなる航空学校の操縦教官らで結成する8機のヘリコプター特別編成チーム「明野レインボー」の飛行展示が行われると、観衆は、急降下や急旋回するアクロバティックな飛行に固唾(かたず)をのみながらも首を左右に何度も振ってヘリコプターを追いかけた。
そのほか、ヘリコプターが着陸できない災害地を想定し、隊員がヘリコプターからロープで降下しての捜索救助活動や、ロープにぶら下がった隊員が被災者を救助する行動展示なども行われた。今回は、紀宝町の災害派遣医療チームDMATとの実際の災害訓練として、救急車に乗せた患者をヘリコプターに乗せ替える患者後送(こうそう)訓練も行動展示として実施した。
装備品展示では、同駐屯地のヘリコプター5機や航空自衛隊、米軍基地、三重県警察などが所有するヘリコプター5機も展示。実際にOH-1(通称=ニンジャ、オメガ)、AH-1(通称=コブラ、アタッカー)の操縦室に乗り込める特別なサービスも行い、それぞれ長蛇の列ができた。そのほか、日本赤十字社三重県支部による能登半島地震発災後、救護活動時に使用したテントや当時の派遣状況などを紹介するパネル展示もあった。
隊員が3カ月かけてリニューアルしたという国産のヘリコプター「OH-1(オメガ)」のミニチュア(パロディー)版「コメガ」も展示され、注目を集めた。
「国内最大のヘリコプターの祭典」には約1万人が詰めかけた。