
介護付き有料老人ホーム「虹の夢とば」(鳥羽市鳥羽、TEL 0599-25-2424)で7月21日、「海の日」にちなみ、伊勢湾に浮かぶ離島・鳥羽市答志島産のしらすと太平洋に面した鳥羽市国崎(くざき)産のアラメを使った昼食メニューが利用者に提供された。
「海の日」にちなみ、鳥羽の答志島産しらす丼と国崎産アラメの酢の物
介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)とショートステイ(短期入所生活介護)のサービスを提供する同施設は、4階建てで1階にショートステイ15床、2~4階に介護付き有料老人ホーム105床を設置、約70人のスタッフで24時間運営する。
施設長の堀口秀人さんは「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、3度の食事を提供できるようにオープン時から温冷配膳車を導入。食べる人の食欲に影響する食器も強化磁器(陶器製の食器)を使い、特に食事にはこだわっている」と話す。
今回の「海の日」の昼食メニューは、答志島産のしらすを使った「しらす丼」と国崎産の「アラメの酢の物」に、すまし汁と自家製フルーツゼリーを付けた。
しらす丼とアラメの酢の物を食べると各テーブルでは、これまで食べてきた味を思い出し、昔話に花が咲いていた。中には海女漁で活躍していた時代まで話がタイムスリップ。「天然のワカメは根っこから簡単に外せるが、アラメは(ワカメと比べて長さが)短いので刈り取るのが大変だった」と教えてくれる利用者もいた。
同施設管理栄養士の小久保じゅんこさんは「利用者さんには地元の人が多いのでできるだけこの地域の食材を使ったメニューを提供できるように努めている。今回は『海の日』ということで鳥羽の海の幸でメニューを考えた。チラシを作り事前に告知すると、利用者さんからは昔はしらすやコウナゴを取って釜揚げにしていたという話を聞いた。生産者だったんだと改めて気付き、驚いた」と話す。
答志島出身、夫婦で漁業を営んでいたという91歳の中村君子さんは「答志島のしらすが食べられてとても幸せ。昔を思い出し、また漁に出たいと思った」と笑顔で話す。小久保さんは「来年の海の日にも、利用者さんに喜んでもらえるような海の幸のメニューを考えたい」とも。