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「富士山が宙に浮く」大気光学現象 日本で唯一、伊勢志摩から観測

「富士山が宙に浮く」大気光学現象 日本で唯一、伊勢志摩から観測(撮影=泊正徳)鳥羽市相差町の千鳥ヶ浜から撮影

「富士山が宙に浮く」大気光学現象 日本で唯一、伊勢志摩から観測(撮影=泊正徳)鳥羽市相差町の千鳥ヶ浜から撮影

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 日本国内で唯一、富士山が宙に浮き上がっているように見える「浮富士(うきふじ)」が12月18日早朝、鳥羽市と志摩市の海岸そば、海抜0メートルに近い地点で観測された。志摩市在住の写真家・泊正徳さんが鳥羽市相差町の千鳥ヶ浜から撮影した。

富士山が宙に浮く??

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 伊勢志摩から富士山までは直線距離で約200キロ。気温が下がる冬の早朝の、空気が澄んで水平線上に雲がないことなどの条件が重なった時、遠望の富士が観測できる。日中は大気中のスモッグやちりが影響し、ほとんど見ることができない。

 海の上に浮いたように見える浮富士を観測できるのは、志摩市と鳥羽市の一部の地点からだけで、志摩半島沖を流れる水温が温かい黒潮の影響が大きく、特に気温が下がる冬場に海水と水面近くの大気との温度差が大きくなることで光が屈折して起こる大気光学現象「蜃気楼(しんきろう)」の一種「浮島現象」によるもの。

 標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)山頂(伊勢市)、パールロード展望台(鳥羽市)、横山展望台(志摩市)から富士山は見えるが、標高が高いため浮島現象にならない。二見興玉神社(伊勢市)の夫婦岩の間からも富士山は見えるが、渥美半島までの距離が近過ぎるため、浮富士にはならない。

 泊さんは「今シーズンも寒い朝に何度か浮富士は現れている。これからさらに寒くなる1月から2月までが浮富士狙いのハイシーズン。浮富士は日本の中でも、ここからしか撮影できないので、ぜひとも撮影に来てもらえれば」と呼びかける。

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